日本動物愛護協会は1日、動物たちの置かれている状況を知ってもらい、改善するため、猫を駅長として大切に育てている和歌山電鐵と協力し、ラッピング電車や車内掲示を通じて動物愛護について発信・啓発を行うと発表した。

  • 和歌山電鐵の「日本動物愛護協会ラッピング電車」イメージ

日本動物愛護協会によると、現在、日本では15歳以下の人数を大きく上回る数の犬猫が飼育されており、いまや家族や社会の一員として認められつつある一方、飼育放棄、遺棄、動物虐待、近隣とのトラブルなどが後を絶たず、いまだに多くの犬や猫が殺処分されているという。犬猫の殺処分に関して、2016年度は11万3,799頭が行政の動物愛護センターへ持ち込まれ、5万5,998頭が殺処分され、とくに猫は殺処分数の8割以上を占めている。

そこで今回、ラッピング電車や車内掲示によって動物愛護について発信・啓発を行い、動物たち(とくに猫)を幸せにする活動によって殺処分の低減をめざすという。

車両デザインは、イラストレーターのボンボヤージュ氏を起用したかわいらしいデザインとなっており、車内ドア横には8枚のポスターを使い、日本動物愛護協会の推奨する飼い主に必要な10の条件を掲示して、飼い主に責任を訴える。中吊りでも猫たちを救うため、わかりやすい問いかけを掲示する。

ラッピング電車は6月18日から3年間の運行を予定している。初日の6月18日は、12時45分から貴志川線伊太祈曽駅で出発式を開催。同駅を13時2分に発車する和歌山行の電車から運行開始となる。

  • 車内掲示などでも動物愛護に関する発信・啓発を行う