花王「生活者研究センター」は、2018年5月26~27日に開催された日本家政学会第70回大会(会場:日本女子大学)にて、「中高家庭科必修世代の家事行動」調査の結果を発表した。「家庭科男女必修世代」に着目し、2006年、2016年、2017年に実施した調査をまとめた。

臨機応変な家事シェア・スタイルへ

首都圏に居住する20~30代の夫が主に担当している家事を比較したところ、2006年は「ごみ出し」「浴室掃除」「資産・家計の管理」などが中心だったが、2016年には全項目で担当割合が上昇し、「トイレ掃除」を含む「掃除」「洗濯」全般、「食事の後片付け」などに拡大した。

  • 夫が主に担当している割合(家事別)

同センターは調査結果について、20~30代夫婦はまず自分たちがどう暮らしたいかを考え、「目指す暮らしのゴール」を共有し、明確な「分担」を決めず、「できる人ができるタイミングでする『臨機応変』な家事シェア・スタイルなのが特徴」と分析している。

また「ごみ出し(出すだけ)」「食事の後片付け」などの家事について、夫が自信を持ってできると答えた割合を「家事全般を妻がする」「分担」「臨機応変」の3タイプで比べたところ、全項目で「臨機応変」タイプが最多となった。また妻が安心して夫に任せられると答えた家事についても、全項目で「臨機応変」タイプが最も多い結果となった。

「生活者の暮らしに関わる意識と行動について」(インターネット調査)の調査概要は、2006年9月/首都圏在住20~30代既婚男性116人、2016年9月/首都圏在住20~50代既婚男性635人。「家事の意識実態について」の調査概要は、2017年9月/インターネット調査/首都圏在住DINKS、末子小学生以下の夫婦514世帯、2016年11月、2017年6月/家庭訪問調査/首都圏在住共働き子あり世帯10世帯。