女優の永野芽郁が主演を務めるNHK連続テレビ小説『半分、青い。』(毎週月~土曜8:00~)で、ヒロイン・鈴愛が弟子入りした売れっ子少女漫画家・秋風羽織(豊川悦司)のアシスタント、ゲイの美青年・藤堂誠役を、いま勢いに乗っている若手演技派・志尊淳(23)が演じている。「ボクって…」が口癖であるため“ボクテ”と呼ばれている藤堂。朝ドラ初出演の思いとともに、永野との共演や漫画家アシスタント役の苦労など、撮影真っ只中の志尊に話を聞いた。

  • 001のalt要素

    志尊淳演じる“ボクテ”こと藤堂誠

朝ドラ初出演の思い

――朝ドラ初出演ということでツイッターでも喜びのコメントを出されていましたが、オファーを受けての率直な感想はいかがでしたか?

どの作品も挑戦する姿勢は変わらないのですが、連続テレビ小説はたくさんの方々が観る作品で、自分が出たい願望もあったので、すごく楽しみでした。北川悦吏子さんによる脚本で、ボクテという役柄をいただいたことを知った時に、オリジナルの作品なので最初はどう膨らませていいかわからなかったのですが、自分の中でも今までとは違う表現ができたらいいなと思いました。

――ヒロイン役の永野さんとは、いずれライバル関係になっていくそうですが、共演してみていかがでしょうか?

芽郁ちゃんは18歳なのに毎日、あれだけの分量を撮って鈴愛として生きている姿を見ていると、ボクテを演じていても志尊淳としても愛おしいキャラクターに思えて、日々刺激をいただいています。実は芽郁ちゃんとは意外とたくさんの作品で会っていて、(同じくアシスタント役の)清野菜名ちゃんは同い年なので、カメラが回っていないところでは、3人で楽しく過ごしています。役柄の延長線上で自然と関係性ができあがっているなあと思いました。

ボクテの漫画への思い

――演じるボクテは、漫画に対してはどのような情熱を持っているのでしょうか?

彼は「金沢の鬼才」と呼ばれていて、コミケに自分で出展している過去もありつつ、秋風先生へのあこがれでオフィス・ティンカーベルに入っているところもありますが、ボクテだからこそ表現ができることを突きつめているところです。ボクテが描いている漫画はいわゆる少女漫画とは少し違う感じですが、秋風先生といることで受けるインスピレーションというものを自分の世界に取り入れていっているような気がします。あくまでも自分の表現は忘れないように、自分の色を出していく人がボクテ君だと思っています。

――漫画家のアシスタント役ということで、トレーニングも受けているそうですね。

僕は一番苦手と言っても過言ではないほど、絵が苦手なんです。実際、漫画家の先生に指導していただいて、イチから教えていただいています。でもアシスタントは絵を描くことよりも、ペン入れをしたり、トーンを貼ったり、ベタを塗ったりという作業が多く、そこは集中力を高めて練習しました。お芝居に合わせて作業をしなくてはいけなくて、同時にふたつのことをやっているような感覚なので、すごく難しいですね。でも、シーン数をこなしていくうちに、慣れてはきたと思っています。

衣装も役へのアプローチに

――ボクテの衣装がかわいらしいですが、着てみていかがですか?

今回の衣装さんが、僕が以前『植木等とのぼせもん』(NHK)という作品をやった時と同じ方で、最後のほうでは今回の作品に出ることが決まっていたんです。その打ち上げの時に「次の衣装は決まっているから楽しみにしていて」と言ってくださっていて。ボクテ君の衣装は時の流れや環境によっても変わっていくということで、すごくおしゃれだなと思いました。ひとりだけでいるとすごく派手かなと思われるかもしれないけれど、オフィス・ティンカーベルの中にいると、とてもなじんで見える。いま1980年代の古着などが流行っているので、その先駆けみたいな衣装を作っていただいていて、その服を着て役柄を作るという意味でもいいアプローチになっていて感謝しています。

  • 002のalt要素
  • 003のalt要素
  • 004のalt要素
■プロフィール
志尊淳
1995年3月5日生まれ、東京都出身。2011年俳優デビュー。2014年、『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日)の主演に抜擢され、ライト/トッキュウ1号役で人気を獲得。以後、『先輩と彼女』(15)、『疾風ロンド』(16)、『サバイバルファミリー』(17)、『帝一の國』(17)、『覆面系ノイズ』(17)など、いくつもの話題作に出演する。また、白井晃演出の舞台『春のめざめ』で主演のメルヒオール役を務めるなど、若手を代表する演技派俳優。主演映画『走れ!T校バスケット部』が今年公開予定。
■著者プロフィール
鴇田崇
映画&ディズニー・パークスを追うフリーライター。年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートをひたすら取材しまくる。ジョン・ラセター、アラン・メンケン、キャスリーン・ケネディ、バイロン・ハワード、ティム・バートンなど、ディズニー映画関連人物のインタビュー経験も豊富。世界のディズニー・パークスでは東京だけでなく、アナハイムも偏愛している。instagram→@takashi.tokita_tokyo

(C)NHK