2018年4月から放送開始となったTVアニメ『鹿楓堂よついろ日和』。その放送に先駆け、「先行上映会」が4月8日(日)にMOVIX亀有にて開催された。

当日行われたトークショーには、ぐれ役の小野大輔、椿役の山下大輝、きなこ役の天﨑滉平、そして米森裕人プロデューサーが登壇。作品やキャラクターの魅力、見どころ、アフレコでの様子などが語られた。ここでは各登壇者のコメントを紹介しよう。

■小野大輔 (ぐれ役)のコメント
――ぐれ役が決まって
僕の役は4人中で言うと「ワイルド担当」です。最初は中村(悠一)くんのイメージがあったそうですね。中村くんも「なんか、小野さんの役、俺みたいだなぁ」って言ってましたし(笑)。1話目の収録で音響監督と話したんですが「アニメの現場では『ぐれ役に小野さんって意外ですね』と言っている人が多いですけど、僕は合ってると思うので頑張ってください」と言われまして…。「え?現場はしっくりきてないのか!?」と思いましたね(笑)。ですが、いい意味でイメージを変えていけたらと、モチベーションがわきました。いろんなアイディアがわいてきますし、明るい役なのでやっていて自分も明るくなれます。楽しんで演じています。
――最後にメッセージを
アフレコは非常にいい雰囲気で進んでいます。収録も与えられた5時間をフルに使い、台本とスタッフと映像と向き合って丁寧にアフレコしています。それがすごくやりがいがあって、あがりを見ると「いいものができたな」と思います。みなさんも我慢せず、極上の飯テロを味わっていただき、おいしいものを食べていただきたいです。「なくても生きていけるけど、あるとホッとする時間」を本気で作っているので、最後まで楽しんでください。

■山下大輝 (椿役)のコメント
――椿役が決まって
椿の役は、オーディションを受けたんですが、「すごくカッコいい感じで、いい声でお願いします」と言われて、そのときは、僕の中で全力でできるカッコいい声でやりました。でも実際に現場に参加してからは「もっと少年っぽく」と変わっていきました。椿は4人の中で最年少ですし、そっちの方が僕もやりやすかったです。等身大の自分らしく、ナチュラルにニュートラルに演じられているし、いろんな幅が出せてよかったです。ぐれ役との小野さんとは、アドリブで後ろのほうでわいわいしているので、ぜひ注目してみてください。
――最後にメッセージを
非常に温かい作品です。アフレコをして僕が一番思ったことが…やっぱり、我慢良くないなと感じました。我慢しないほうがいいよ(笑)、食べたいときは食べていいんだな、って自分に優しくなれる、そんな作品かなと。皆さんも作品を見て、ほっこりと楽しんでもらえればと思います。我慢せずにいきましょう。

■天﨑滉平 (きなこ役)のコメント
――猫のきなこ役に決まって
実は、僕自身動物の声をこんなにしっかり演じるのは、一度もやったことなかったんです。この作品が初めてですね。台本上も僕のセリフは「にゃー」って書いてありました()。なので、その「にゃー」を、毎回必ず自分の中で翻訳するようにしています。「こう言ってるんだ」と決めて、それを言うつもりで演じました。毎回、きなこが出てくるタイミングは、物語に展開がある「間」に映ることが多いんです。閑話休題というか、みなさんのお漬物、箸休めみたいな存在として(笑)、きなこを挟むと次の話が面白くなる、おいしくなる存在になっていたら良いかなと思います。
――最後にメッセージを
この作品を見ていると、「この時間がずっと続けばいいのにな…」そんな感想を抱きます。「鹿楓堂」という作品が、皆さんの日常に寄り添い、いつもそばにあるようなものになれば良いなと思います。きなこも、みなさんの日常になれればと思いながらやっています。

■米森裕人プロデューサー
――キャスティングについて
基本、各キャラクターはそれぞれ過去やバックボーンがあるので、そこに合わせて考えて選んでいます。
まず「ぐれ」ですが、アドリブが一番多く、自由にできる役でテンションの上げ下げの幅があるキャラクターですし「グラッツェ!」など、声を張るセリフは、小野さんが言うのが似合っているだろうなと思いました。僕の印象では、小野さんはがっちりしているタフなキャラを多く演じられている感じですので、ぐれはぴったりと思っています。女性向け作品と男性向け作品で、観ている方も小野さんから受ける印象が違うようで、ぐれに関しては男性目線のキャスティングになっているのかなと思いました。
中村(悠一)さんの「ときたか」ですが、キャラクターとしてのときたかは、4人の中でも、実は一番「芯の強い人」ではないかと感じました。バックボーンも一番深いものを持っているのではと思います。中村さんは男らしい芯の強い声を持っている方なので、刀を鞘に納めるように、ときたかというキャラクターの中にきちんと収めて、時折、そういった力強さが表に出るというのがぴったりじゃないかと思ったんです。
「椿」は、ぐれに対し、かなりな激しいツッコミセリフが多いので、色が付いて、動きが付くと、少しきつく聞こえるかもしれないと感じました。ですが山下さんの声は、根底に「優しさ」があるので、激しくつっこんでも嫌に聞こえないのではと考えました。ツンはありつつも、根底にある愛情が見え隠れして、それが「椿」の魅力になるのではと。監督の強い希望もあり、お願いする事に致しました。
「きなこ」ですが、僕の中で一番ギャンブルなキャスティングでした(笑)。候補の方々から声のサンプルをいただきましたが、もちろん「ニャーン」というボイスはないので(笑)、結局候補の方についていろいろ調べさせて頂いて、写真やWebを見て、いろいろなエピソードを読んで、「この人にお願いしたい!」と思ったのが天﨑さんだったんです。ギャンブルでしたがハマりました。現場でもみんな「ハマってるよね」って驚いていました。
「スイ」は鹿楓堂の店主で、基本的には優しい爽やかなキャラクターですが、案外挑発的なことを言うシーンもあったり、そのバックボーンを考えると必ずしも「優しいだけの人」ではないと感じました。もし「鹿楓堂」に関わっていなければ、カリスマ社長というか、人たらし的な存在になっていたのかもしれないと考えました。
また、スイはお店に来た人に「いらっしゃいませ」と最初に言う人で、そこでお客さんの、お店の印象は決まってしまうと思うので、そういう一言で相手をひきつける求心力というか、色気的な部分は必要じゃないかと考えました。色気があり、さらにカリスマ性もある、そんな雰囲気を出してくれると思い、諏訪部(順一)さんにお願いしました。
――最後にメッセージを
「なくても生きていけるけどあると少しだけホッとする」という言葉に全てが集約されていると思います。4月になって、環境が変わって不安な方も多いと思いますが、振り返れば「鹿楓堂」はいつもそこにある。そっと背中に手を添えてくれる。そんな作品になればと思います。

  • オープニングの場面カット

TVアニメ『鹿楓堂よついろ日和』は、AT-X、TOKYO MX、KBS京都にて放送中。各詳細はアニメ公式サイトにて。

(C)清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会