JR北海道ホームページなどで公開されている「北海道新幹線建設促進北海道・札幌市調整会議(札幌駅ホーム位置に関する五者協議)」の資料が29日に更新された。北海道新幹線札幌駅ホーム位置に関して「東案(その2)を採用する」との協議結果が示された。

  • JR札幌駅。新幹線ホーム位置は「東案(その2)が採用された

北海道新幹線新函館北斗~札幌間は2030年度末に開業予定。札幌駅のホーム位置については、2016年4月から北海道と札幌市、鉄道・運輸機構、JR北海道の4者、2018年2月から国土交通省も加えた5者による協議が行われてきた。「北海道新幹線建設促進北海道・札幌市調整会議(札幌駅ホーム位置に関する五者会議)」では、現行の在来線1・2番線ホームを活用する「認可見直し案」、在来線ホームの東側にホームを新設する「東案(その2)」の2案に絞って検討し、年度末までに採用する案を決定するとしていた。

このほど公開された「平成30年3月29日会議資料」によれば、北海道、札幌市、JR北海道の3者は地元経済団体などの意見も踏まえ、「利用者の利便性や将来の拡張性、地域活性化等の観点から総合的に判断した結果、東案(その2)が望ましいとの意向を示した」という。「認可見直し案」は事業費約570億円、「東案(その2)」は事業費約645億円とされており、工事費の差額は「JR北海道が負担すること」としている。これらを踏まえ、北海道新幹線札幌駅のホーム位置は「東案(その2)を採用すること」となった。

「東案(その2)」では現行の在来線1番線を新幹線下り線とし、新幹線上り線として0番線を新設。在来線ホームの東側に新幹線ホームを設置し、2面2線の相対式ホーム(乗車専用ホーム・降車専用ホーム)として乗車・降車の動線を分離する。線形の見直しでホーム幅も変更される。在来線には11番線ホームを新設するほか、新幹線・在来線の乗換跨線橋を設置し、新幹線ホーム上の橋上駅部に乗換コンコース・乗換改札も設置。既存コンコースを経由せず乗り換えられるようにする。地上駅部に新幹線専用改札、橋上駅部に在来線改札を設け、新幹線駅南側の再開発エリア(北5西1街区)との利便性向上を図る。

なお、「東案(その2)」の採用にあたり、鉄道・運輸機構は乗換跨線橋など(JR北海道による在来線改良工事として実施)を除く施設の基本設計終了後、「速やかに工事実施計画の変更認可に係る所要の手続きを行うこと」とされた。さらなる利便性向上のため、コスト縮減の観点も踏まえ、引き続き関係者間で検討も行うとしている。