映画『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』の舞台あいさつが、公開初日の3月10日に東京・新宿ピカデリーにて行われ、坂本浩一監督と、主演の濱田龍臣ほか主要なキャスト陣が勢ぞろいし、映画の注目ポイントや撮影の裏話などを語った。

  • 上段左から、ウルトラマンゼロ、ウルトラマンジード ウルティメイトファイナル、下段左から、坂本浩一監督、長谷川眞優、小澤雄太、本仮屋ユイカ、濱田龍臣、山本千尋、ペガ、潘めぐみ

『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』は、2017年にテレビ東京系で放送された連続テレビドラマ『ウルトラマンジード』の劇場版。地球を守るヒーローとして人々から認められたウルトラマンジード/朝倉リクが、全宇宙の滅亡を目論む巨大人工頭脳「ギルバリス」とギャラクトロン軍団を迎え撃つため、ふたたび激しい戦いの道を歩んでいく。クライマックスには、ウルトラマンジードが伝説のアイテム「赤き鋼」=ギガファイナライザーを手にして究極形態「ウルティメイトファイナル」に変身を遂げるほか、頼もしい仲間・ウルトラマンゼロ、そして2016年にテレビで活躍した『ウルトラマンオーブ』からウルトラマンオーブとジャグラス ジャグラー(魔人態)が参戦。すべての宇宙を守るため、ウルトラヒーローたちの総力戦が繰り広げられる。

ウルトラマンジード/朝倉リクを演じる濱田龍臣は、公開初日を迎えた感想を問われて「みなさん、キラッキラの笑顔ですごく嬉しいです。公開が始まっちゃったというのは、少しだけ寂しい部分もありますけれど、みなさんに楽しんでいただければ……」と、いよいよこの映画で『ジード』の物語がファイナルとなることに一抹の寂しさを感じつつ、映画を多くの人たちに楽しんでほしいという思いを表していた。

映画での重要アイテム「赤き鋼」を守護する謎の美女・比嘉アイルを演じる本仮屋ユイカは、映画での印象に残るシーンを聞かれ、「ドンシャインのポーズをとるところ」と回答。ドンシャインとは、リクが幼いころから憧れていたというテレビ番組『爆裂戦記ドンシャイン』のヒーローだ。その決めポーズを本仮屋が行なうにあたっては「みんなから、『ドンシャインのポーズはもっとキレがいい、もっと早く!』とか、たくさん教えていただいて、頑張りました(笑)。リクくんと一緒に海辺に立つ、あのシーンはとても好きです」と、出演者それぞれに思い入れのあるドンシャインの決めポーズについての感想を述べた。

リクの仲間で剣術の達人・鳥羽ライハを演じる山本千尋は、思い出に残るシーンとして「以前からずっと会いたかった"ジャッキーちゃん"さんと一緒のシーン。もう嬉しくて、『会いたかったんですぅ~』と言いながらアクションをしたんですけれど、あそこのアクションシーンを楽しんでいたのは、私と坂本監督とジャッキーちゃんさんだけ! 趣味満載のアクションを何度も観てください」と、アクションスターのジャッキー・チェンを完璧なまでにコピーして笑いを取るお笑い芸人のジャッキーちゃんによる、見事なまでのカンフーアクションギャグを楽しんだことを明かした。

ふだんは平凡なサラリーマンだが、ウルトラゼロアイを目にかざすとウルトラマンゼロに変身する伊賀栗レイトを演じる小澤雄太は、前シリーズ『ウルトラマンオーブ』のウルトラマンオーブ/クレナイ ガイを演じる石黒英雄と、ジャグラス ジャグラーを演じる青柳尊哉の印象について「個々のキャラクターが強いお2人。北極と南極の人が一気に来たなという感じのギャップがありました」と、その個性の強さについての感想を語った。さらには「みんなが一丸となってまとまっている『ジード』のチームに、『オーブ』のお2人が加わっていただいたことにより、さらに魅力的なチームへとふくらんでいった。いい刺激を受けました」と、2作品が混成することにより、さらに大きなチームへと発展していったと感慨深く話した。

リクの幼なじみで、異星人犯罪者を捜査する秘密組織AIBのエージェント・愛崎モアを演じる長谷川眞優は、映画ではリクがアイルに対してほのかな憧れを抱くシーンなどがあって、幼なじみとしては気が気ではない様子。そこで長谷川は「小っちゃいころ、リクくんは『モアと結婚する』って言ってたんです。ね、リクくん!」と濱田に笑顔を贈ったが、濱田はクールな顔を崩さず「記憶にございません!」と一礼。長谷川の表情が一瞬にして凍り付く場面があった。また、お気に入りのシーンとして長谷川は「それはもう、バリバリの、ゴリッゴリの、イケイケのアクションシーンじゃないですか」と、昼食時でも練習を欠かさなかったというガンアクションのシーンを挙げた。しかし昼食時には銃の小道具がなかったため、おやつの「鳩サブレ」を銃に見立てて坂本監督と一緒に撃つ練習を行ったと、茶目っ気たっぷりの笑顔で語っていた。

また、モアの先輩エージェントで、固い表情のまま口を動かさずにテレパシーで意志を伝えるシャドー星人ゼナを演じている岩田栄慶も登場。マイクを持った岩田は、ふだんのコワモテ風から一変、「はいどーもー! しゃべっちゃいましたぁ!!」と明るい一面を見せながら客席の子どもたちにあいさつ。しかし、いきなりAIBからの電話が鳴り、「新宿ピカデリーの近くに宇宙人が現れた」との緊急連絡が入ってしまった。そこで、ゼナは子どもたちの拍手を受けつつ1人だけ舞台あいさつを離脱して、キレのいい動きで任務に急行することになった。

リクの"相棒"的存在で、人間の影などに隠れる能力を備えているペガッサ星人の子ども・ペガは、先ごろ行われた応援上映「ジーッとしないで応援しようぜ!」の先行イベント(3月2日)が開催されたことについて「みんなが、すごく元気いっぱいに応援してくれたので、嬉しかったです。毎週水曜日に応援上映をするみたいなので、小さなお友だちも大きなお友だちも、すごく楽しいので行ってみてください!」と、新宿ピカデリーほかで開催される応援上映の楽しさをアピールした。

その後、ペガのキャラクターボイスを務める潘めぐみがステージに登場。潘は3月2日の応援上映先行イベントを観に来ていたという。「みなさん、どこから応援をしてくれるのかな、と思っていたら、本編が始まる前の、松竹のタイトルが出てきた時点でいきなり『松竹さん、ありがとーーーっ!』って叫ばれるんですよ。もう、圧巻でしたね。みんなにとっては、そこから本編なんだ……って(笑)。あらゆるシーンも、みなさん美味しくいただけているようで、私もたくさんのシーンが印象に残っています」と、大勢のファンによる応援のボルテージの高さに圧倒されたことを明かしていた。

本作のメガホンをとった坂本浩一監督は、映画で印象に残ったシーンを尋ねられて「僕も千尋ちゃんと同じく、憧れのジャッキーちゃんさんと一緒にお仕事ができたのが嬉しかった。現場では、30代、40代のスタッフと千尋ちゃんが、ジャッキーちゃんさんの芸を観て、笑うのをこらえていましたね」と、憧れのジャッキー・チェンのモノマネ芸を極めて高いクオリティで行うジャッキーちゃんとの一連のシーンを挙げ、ハードながら明るく楽しい撮影現場を振り返っていた。

MCから、映画の見どころを聞かれた坂本監督は、「『ジード』チームと『オーブ』チームがガッツリくんで作った映画です。今日ご覧になって面白い!と思われた方は、ぜひ多くの人に伝えていただいて、何度も劇場に足を運んでください!」と、映画の楽しさを周囲の人たちに広める"口コミ"を呼びかけていた。

やがて、大勢のファンの期待に応える形で、濱田はウルトラマンジード ウルティメイトファイナル、小澤はウルトラマンゼロへの変身ポーズを披露することに。ウルトラゼロアイをかかげた小澤の「行くぜリク! 映画館にもブラックホールが吹き荒れるぜ!」という言葉を受け、濱田は「ウルティメイトファイナル! つなぐぜ、願い! ジード!」と叫ぶと、ステージにウルトラマンジード ウルティメイトファイナルとウルトラマンゼロがさっそうと登場。それぞれ得意のポーズを決めた。

その後、およそ1年間にわたって『ウルトラマンジード』の主役として頑張ってきた濱田に感謝を込めたサプライズとして、出演者を代表し小澤から手紙が読み上げられることになった。

小澤はレイトになりきって「頑張ります! 僕とルミナさんの結婚式の時より緊張している気がするんですが……」と手紙を出し「朝倉リク、いや、濱田龍臣くんへ。初めて会ったのは、ちょうど1年前の今ごろでした。出会ったときは16歳の高校生。元気がいっぱいで、若さあふれる青年でした。そんな龍臣くんに、僕たちはいつも元気をもらっていました。タイトな撮影時間の中、ヒーローという大きな責任を背負っている姿に、心配になるところもありましたが、いろいろなことを思い、負けてたまるか!と挑んでいく姿は、まさにヒーローそのものでした。成長していくウルトラマンジードとリクは、等身大の濱田龍臣くんだからこそ演じられたのかな、と思います。龍臣君がいたから、みんなで劇場版までたどりつくことができました。本編でゼロさんも言っていましたが、リク、いや龍臣! ジーッとしててもどうにもならない。誰にもできないことをお前はやってのけた。誇っていい! ……ね、ゼロさん!(笑) 僕たちに夢と希望を、本当にありがとう! シリーズ最年少座長、本当にお疲れさまでした。これからもずっと、僕らみんなのヒーローで居続けてください! チーム代表 伊賀栗レイト役・小澤雄太より」と、熱い気持ちのつまった文面を堂々と読み上げた。

小澤が手紙を読み始めた直後から濱田は感激のあまり涙をこぼしており、隣にいた山本も思わずもらい泣きしつつ、濱田にハンカチをそっと差し出す優しいところを見せた。

濱田は涙をこらえつつ、「ズルいですよね。半年間ずっと一緒にやらせてもらって、本当にみんなのこと大好きですし……。すでに泣きそうだったのに、こんなの(手紙)渡されちゃったら、……泣くじゃないですか! ふつう! でも、それだけ自分を、朝倉リクを、この作品を愛してもらったということがすごく伝わってきました。このお仕事をさせてもらって、自分が憧れていたものになれてすごく嬉しかったです!」と、りりしい表情を崩さず周囲に感謝の言葉を述べた。

最後に濱田は、ファンの応援に対して「半年間撮影をしてきて、自分たちキャストとスタッフさんたちが築きあげてきたものの集大成が、この劇場版に込められていると思っています。作品が自分の手を離れていって、みなさんのところに届く。それは寂しい思いもありますけれど、みなさんが愛を返してくれると信じています。この仕事をやっていてよかったと思う瞬間は、みなさんからの反響があるときなんです。こういう場に来て、みなさんが拍手をしてくれたり、キラッキラの笑顔でいてくれることがすごく嬉しいんです。今までの仕事の中で一番それを感じることができたのが『ジード』です。僕もリクも、憧れていた"ヒーロー"になることができました。似たような境遇で役を演じることができて、本当に楽しかったです!」と、心からの感謝を表した。そして「グランドフィナーレの日が来るまで、みなさんにこの作品の良さを届けていくために、突っ走っていきたいなと思っています! どうぞ「#劇場版ウルトラマンジード」、あるいは「#ウルトラマンジード」のハッシュタグで、SNSに拡散してください! きっとエゴサーチして見ています! ほんとうにありがとうございました!」と、映画の感想を広く求め、最後まで熱い応援を呼びかけた。

『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』は現在公開中。通常上映に加えて、「ジーッとしないで応援しようぜ!」と銘打った「応援上映」が東京・新宿ピカデリーほか全国7劇場で3月21・28日に実施される。