JR北海道は14日、特急形気動車キハ183系の初期型車両が今年で引退となることを受け、同車両をデザインした記念入場券を発売すると発表した。キハ183系の初期型車両(おもに0番台・200番台)は6月までに、中間車も含めた全車両の引退を予定している。

  • キハ183系初期型車両が引退(写真は特急「オホーツク」。2015年12月撮影)

キハ183系は1979(昭和54)年に試作車12両が登場し、1981年10月の石勝線開業にともなうダイヤ改正から特急「おおぞら」「北海」などで運行開始した。その後、モデルチェンジを図った後期型(N183系、NN183系など)とともに道内各地の特急列車で活躍し、現在も石北本線の特急「オホーツク」「大雪」などに使用されているという。

北海道専用に設計され、雪と寒さに強い特急形気動車として、長きにわたり活躍してきたキハ183系だが、近年は新造の特急形気動車の投入などにともない順次引退しており、1980年代前半に投入された初期型車両は間もなく全車引退となる。初期型車両のみ5両編成で運転された「旭山動物園号」が3月25日にラストランを迎え、最後まで残る中間車のキロハ183形なども6月までに引退を予定している。

記念入場券はこれまでの利用に感謝するとともに、キハ183系初期型車両の勇姿を思い出とともに手元に残してもらうことを目的に発売される。キハ183系で運行された列車にゆかりのある道内の17駅にて、駅ごとに異なるデザインで3月15日から販売開始し、価格は1枚170円(大人用のみ)。表面に列車の勇姿、裏面にヘッドマーク(一部は旧意匠のもの)をデザインした。各駅の記念入場券のうち、券番「0001」についてはキハ183系初期型車両の保存に向けた活動を行う安平町へ進呈されるとのこと。

販売する駅は北海道新幹線木古内駅(特急「えさし」)、函館本線函館駅(快速「ミッドナイト」)・大沼公園駅(特急「大沼」)・森駅(特急「ヌプリ」)・長万部駅(特急「ワッカ」)・倶知安駅(特急「ニセコ」)・小樽駅(特急「北海」)・岩見沢駅(特急「おおとり」)・旭川駅(特急「旭山動物園号」)、室蘭本線東室蘭駅(特急「北斗」)、根室本線富良野駅(特急「フラノラベンダーエクスプレス」)・帯広駅(特急「とかち」)、釧路駅(特急「おおぞら」)・根室駅(特急「まりも」)、石北本線遠軽駅(特急「大雪」)・網走駅(特急「オホーツク」)、宗谷本線稚内駅(特急「サロベツ」)。10月末日まで販売予定だが、一時的に在庫切れとなる場合や、購入枚数を1人5枚までに制限する場合もある。

各駅で記念入場券を購入し、応募券を集めて応募すると、抽選で正面愛称幕や側面行先幕が当たるキャンペーンも実施。関連商品として、記念入場券を集める際に便利なケース付きネックストラップ、クリアファイル付きコレクション台紙なども発売される。