子どもの卒業式に入学式、歯医者にも行きたいし、たまには旅行にだって行きたい。そんな時に使いたいのが「有給休暇」制度。「ゆうきゅう」と略す人も多いでしょう。そこで今回は、「有給休暇」の正しい略語について調べてみました。

「来週、『ゆうきゅう』を取らせていただきたいのですが」と、口頭で申し出る分には何ら問題はありませんが、メールで申請する場合や、出張中の同僚にメモで伝えたい時など、実際に文字で書くとなると「有給」と書くか「有休」と書くべきなのか、迷う人も多いのではないでしょうか。

どちらが正しいか調べてみたところ、「有休」が正しいという見解の方が多く見られました。その根拠について述べる前に、まずは有給休暇の制度について確認してみましょう。

■有給休暇とは

正式には「年次有給休暇」と言います。一定期間継続して働いている労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことで、取得しても給料が減ることはありません。厚生労働省は、労働基準法第39条に則り、「年次有給休暇」について以下のとおり企業に義務付けています。

・使用者は、労働者が(1)6ヶ月間継続勤務し、(2)その6ヶ月間の全労働日の8割以上を出勤した場合は、10日(継続または分割)の有給休暇を与えなければなりません。

・6ヶ月の継続勤務以降は、継続勤務1年ごとに1日づつ、継続勤務3年6ヶ月以降は2日づつを増加した日数(最高20日)を与えなければなりません。

また、辞書には「労働者が人間らしく生きるために、休日以外に、権利として有給で休暇をとることができる制度」「労働者に毎年一定日数の休暇を有給で付与する制度」と記載されています。

■「有休」が正しいとする理由

「有休」が正しいとする根拠のひとつは、「有休」は有給休暇の略語でしかないのに対し、「有給」は「給料の支給があること」を意味する単独の言葉として辞書に掲載されていることにあります。前項でも述べたように、辞書にも、有給休暇について「有給で休暇をとることができる制度」「休暇を有給で付与する制度」と記されています。そのため、「有給」と書いた場合、「給料が有ること」という意味で捉えられかねません。

もうひとつの根拠は、他の休暇制度の略語と比べてみると分かります。産前産後休暇は「産休」、育児休暇は「育休」、病気休暇は「病休」。いずれも、「先頭の文字+休」という構成になっています。これにならえば、有給休暇は「有休」と略すことになるのです。

■「有給」は間違い?

前項で述べた理由からすれば、「有休」の方が優勢ではあるものの、現状、テレビや新聞といったメディアでも「有給」の方の略語も使われています。また、「有休」と書いても「有給」でも、口頭で言われた時と同じ感覚で、大抵の人が、ごく自然に「有給休暇」と認識するはずです。会社によっては、「有給」の方を主流としているところもあるようです。こうした状況を踏まえると、「有給」と略すのが間違いだとは言い切れません。


今回は、有給休暇の正しい略語についてご紹介しました。一般的には、「有給」と「有休」、どちらも有給休暇の略語であることは明確ですが、「『有給を取りたい』ってどういう意味?」なんて揚げ足を取る人も稀に居るかもしれません。文字にする際には、略さずに「有給休暇」と書くことをお勧めしたいと思います。