「教えてください」を敬語で表現する必要があるかどうかと迷っていませんか? ビジネスシーンにおいてはもちろん、メール上の表現はどうすればいいのか、上司や先輩といった相手によっても、表現を変えた方がいいケースがあります。

今回は、バリエーションの多い「教えてください」の敬語表現について解説します。例文も交えつつ、相手に与える印象がどう変わるかについて知っておきましょう。最後に、英語での表現方法も紹介していますのでぜひご活用ください。

「教えてください」の意味と基本的な使い方

  • 「教えてください」の意味と基本的な使い方

    「教えてください」の敬語表現をきちんと把握しておきましょう

新入社員として職場に配属された後は、仕事の内容について教えてもらう毎日でしょう。ある程度経験を積んだ後でも、クライアントや他社の人、転属先の上司に対して、教えを請わなければならない場面は少なくありません。

そのようなとき、スムーズなコミュニケーションに欠かせないのは敬語表現です。適切な敬語表現で「教えてください」を表現し、教えてもらう人との関係をよりいいものにしましょう。

「教えてください」は敬語だが口語的なので使用しない

「教えてください」は、「教えてくれ」の敬語表現であり、実はそれだけで敬語表現になっている言葉です。

しかし、「教えてください」は口語的な表現で、あまり相手にいい印象を与えません。ストレートに要求を表現している点に強い印象を感じる相手もいるでしょう。ビジネス上では、「教えてください」を避け、もう少し丁寧な表現を選んだ方がよりベターです。

ビジネスシーンに適した敬語表現

ビジネスシーンに適した敬語表現として、まずは基本的な2つの表現を覚えましょう。

1.「教える」の前に「お」を付けて、「お教えください」

2.「ください」の代わりに「願います」を使って「お教え願います」

「教えてください」よりも「お教えください」「お教え願います」の方が、より丁寧に相手への敬意を表現できます。

単語の頭に「お」を付けると、単語そのものの意味に加えて、尊敬や謙譲を表現できます。さらに「ください」の代わりに教えてもらうことをお願いする形で、「お教え願います」とすることで、教えを乞う相手に教えるかどうかの判断を委ねる形にすると、より丁寧です。

「教えていただけますか」で謙虚な印象に

「教えてもらう」の「もらう」の部分を謙譲語の「いただく」にして「教えていただく」という表現ににするのもいいでしょう。

この場合は、さらに疑問形をプラスして「教えていただけますか」とすることで、相手に判断を委ねる形にします。「お教え願います」と同様、相手の都合を慮る表現として、より謙虚な印象となります。

「教えていただけませんでしょうか」は社内でなら可

「教えていただけますか」の最後を「教えていただけませんでしょうか」と否定形にすると、さらに敬意を強めた表現となります。否定形ですが、否定の意味にはならず、相手に判断を委ねる形です。

しかし、なかには否定形が入らない「教えていただけますか」の方が、より敬意が高いと感じる人もいます。そのため「教えていただけませんでしょうか」は、社内での使用に留めておき、社外では「教えていただけますか」を使う方が無難です。

「教えてください」の敬語表現の類語

  • 「教えてください」の敬語表現の例文集

    「教えてください」の敬語表現の類語を知っておきましょう

ビジネスシーンで使える「教えてください」の敬語表現はほかにもあります。その他の敬語表現についても覚えておきましょう。

ビジネスシーンにおいてはさらに丁寧な表現がある

「教えてください」を「お教え願います」「教えていただけますでしょうか」とするだけでも、十分失礼のない敬語表現になります。ただ、さらに丁寧な表現として、以下も多く使われる表現です。

1.ご教示ください

2.ご教授ください

3.ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます

これらの意味について、もう少しくわしく掘り下げます。

ご教示ください

「教示」(きょうじ)とは、文字の示す通り「教え示すこと」という意味で「ご」を付けることで敬語表現となります。「ご教示ください」「ご教示願います」といった形で、手法や知識のように比較的シンプルな内容について教えを乞うときに使用する表現です。

ビジネスシーンでは、こちらの意味合いで教えを乞う場合がほとんどで、「教えてください」の敬語表現としては、かなり汎用性の高い表現と言えます。

ご教授ください

「教授」(きょうじゅ)と言えば、大学時代の先生のことを思い浮かべる人もいるでしょう。そのイメージと同じく、「教授」とは、「教示」よりも専門的な知識や学問について教えてもらう場合に使う言葉です。

専門分野についての知識を乞う場合は、「ご教授ください」「ご教授願います」のような形で使用しましょう。利用シーンは、「ご教示」に比べると少なくなります。似たような表現で混同しやすいですが、うまく使い分けてください。

ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます

「ご指導ご鞭撻」(ごしどうごべんたつ)とは、「指導」(教え導くこと)と「ご鞭撻」(相手が怠らないよう強く励ますこと)セットで用いられる敬語表現です。

なにか特定の知識について教えを乞うという意味よりも、今後継続してずっと指導いただきたいという意味合いで使うケースが多く見受けられます。

【例文】

・今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

・これからも何卒ご指導ご鞭撻賜りますようよろしくお願いいたします。

ビジネスシーンでは、主に先輩や上司に対して使う表現です。また、挨拶メールの締めくくりや、結婚式の挨拶のように、改まった席で使用されるケースもあります。

ただし、取引先の顧客に対しては「強い励まし」までをお願いすることはあまり考えられないため、社外ではあまり使用しません。

常駐先で密接に関わるクライアントの場合は、実際に業務についてくわしくヒアリングすることもあるため、「ご指導ご鞭撻(べんたつ)のほどお願い申し上げます」を用いても違和感はないでしょう。

「教えてください」の敬語表現の例文集

  • 「教えてください」の敬語表現の類語

    「教えてください」の敬語表現の例文をいくつかみてみましょう

ここからは、教えを乞う相手別に「教えてください」の敬語表現を含む例文をいくつか紹介します。

取引先のクライアントへお願いする場合

取引先のクライアントに教えを乞う場合は、内容の専門性を考えて「ご教示」または「ご教授」を使います。

【例文】

・この業務は、どのような流れで作業するのかご教示いただけますでしょうか。

・専門分野の〇〇について、ご教授いただけますと幸いです。

社内の上司へお願いする場合

社内の上司に教えを乞う場合は、「~いただけませんでしょうか」や「ご指導ご鞭撻」も使えます。

【例文】

・この書類は、どのように処理をすればよいかご教示いただけませんでしょうか。

・本日配属されました〇〇です。今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

社内の先輩へお願いする場合

社内の先輩に対しては、砕けすぎず硬すぎず、「ご教示ください」「教えていただけませんでしょうか」といった表現がおすすめです。

【例文】

・〇〇作業の手順4番目の部分についてご教示ください。

・社内決済システムの使い方を教えていただけませんでしょうか。

「教えてください」の敬語表現をメールで使う場合

  • 「教えてください」の敬語表現をメールで使う場合

    「教えてください」の敬語表現は、メールではどのように使うのでしょうか

次に、「教えてください」の敬語表現をメールで使用する場合について解説します。

基本は対面での表現と同じ

メールでの表現でも、「教えてください」を仕事上でそのまま使わないようにしましょう。これまで解説してきた表現から、その場と相手に適した表現を選択して使用します。

教えてもらったときのお礼メールの書き方は?

質問メールの返信で教えてもらった場合、内容をしっかり確認した後、お礼のメールはすぐに送りましょう。

メールのレスポンスが早いことは重要ですが、すぐに読みきれない場合もあります。その場合でも、取り急ぎお礼のメールは送るようにします。

お礼メールの書き方として用いる表現は、以下の通りです。

・教えてくださりありがとうございます

・教えていただきありがとうございます

どちらでも正解ですが、ビジネスシーンでは「教えていただきありがとうございます」という表現の方が多く見受けられます。

「教えてください」の敬語を英語で表現するには

  • 「教えてください」の敬語を英語で表現するには

    英語では「教えてください」の敬語をどのように表現するのでしょうか

ときには、英語で教えを乞う場合も出てくるでしょう。ビジネス英語で「教えてください」の敬語表現はどのようにすればよいかを解説します。

英語での表現方法

英語で教えを乞う場合は、主に以下の表現が使われます。

・tell me:「教える」で、もっともカジュアルな表現

・let me know:「知らせる」で、tell meと比べるともう少し丁寧な表現

・inform:「伝える、教える」で、とても丁寧な表現

ビジネスシーンでは「inform」を使うと最も丁寧で、実際に多く使われる表現です。「~していただけませんか?」といった依頼表現にする場合は、以下の表現もビジネスシーンで多く使われます。

・Could you please…?:「~していただけませんか?」という依頼表現

・I would appreciate it if you could:上記をさらに丁寧にした依頼表現

「Could you please」は「Would you please」でも置き換え可能です。これらの表現でも十分に丁寧ですが、「I would appreciate it if you could」を使うとさらに改まった印象になります。

「教えてください」の敬語表現例文集

ご紹介した英語表現を使って、「教えてください」の敬語表現の例文をいくつか挙げます。

【例文】

・Tell me what you know.

 (あなたの知っていることを教えてください)

・If you know that, please let me know what it is.

 (そのことについてご存じでしたらご教示ください)

・Please inform me soon If you can go.

 (行けるようになったら、私にそのことをお教え願います)

・Could you please tell me the work procedure?

 (その作業手順を教えてくださいませんか?)

・I would appreciate it if you could tell me what you know.

 (あなたの知っていることを教えていただけると幸いです)

まとめ

「教えてください」は、相手に直接的な要求をする表現です。そのためビジネスシーンで「教えてください」を使用することはありません。「教えていただけますでしょうか」「ご教示願います」といった表現がビジネスシーンで使いやすく、相手にやわらかい印象を与える表現です。

相手や利用シーンを考えて、うまく「教えてください」の敬語表現が使えるように、日々練習を重ねていきましょう。