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総製作費3億円をかけ細部まで徹底

――最初に総製作費3億円ということを発表されていました。

藤田 :地上波のテレビドラマと遜色ないレベルで作ろうということです。かけすぎてもいないと思います。結局、演出や美術にお金をかけやすい状況になりました。

横内:特にセットを作り込んでいる。プロデューサーが「役者にお金をもっていかれない分、映るところにかけました」と言っていたけど、ケンゾウの家に飾ってあるフィギュアとか小物がすごい!

藤田 :実際にケンゾウの部屋を見たときに、リアリティがすごいなと驚きました。制作チームが美術や演出ひとつひとつにこだわりをもって取り組んでいて、そういう細部の努力は視聴者にも伝わると思います。

横内:そうですね。ちゃんとこだわって作り込んだパワーは伝わるんじゃないかなと。ほかのドラマは、目に映らないものにどれだけお金が使われているのかという、逆のメッセージにもなっていると思います。

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狙い通りのクリエイターたちの反応

――そのメッセージは業界の人に伝わって、刺激を受ける人が多そうですね。

藤田 :作品を作る環境としてうらやましいと思っていただけるというのは確かにあると思います。先にキャスティングが決まっている中でドラマを作るというのは本意ではないという人も相当いるはずで、そういった制約条件の中でベストを尽くすという環境にいる人たちは、AbemaTVでの作り方はうらやましいんじゃないかと思います。

横内:この『#声だけ天使』は、大勢の方に見ていただいてその反応がもちろん大事ですが、それだけではなくクリエイターの人たちがAbemaTVで作りたいと来てくれるようになったら、僕がやったかいもあるなと。

藤田 :それはすでに肌感覚で手ごたえを感じています。実際、『#声だけ天使』が世の中に出たことで、AbemaTVで自分の作品を作りたいという声をいただいています。脚本家も監督もプロデューサーも、自由度を求めて。それは一番願っていたことで、良いクリエイターが集まるメディアにしておくことで、作品のレベルはおのずとあがっていく。そのために最初の作品ということでそこにこだわり続けたことは良かったなと(笑)。地上波に出られない人が集まる場所ということにはしたくなかったので、狙い通りになりました。

――次につなげるという、第1弾としての役割を見事に果たしたということですね。

藤田 :そうですね。完全オリジナルドラマの第3弾『会社は学校じゃねぇんだよ』が4月から始まりますが、演出家に『#声だけ天使』を見せたら、こういうトーンで、これくらいのクオリティで、ということをすぐに理解してくれました。まだ全話終わってませんが、僕は大満足です。

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今後のオリジナルドラマの方向性と目標

――今後のAbemaTVのドラマの方向性を教えてください。

藤田 :若者が強く関心を持っている恋、夢、友情、お金・・・そういうものを題材にしたドラマを作っていきたいと思います。第3弾の『会社は学校じゃねぇんだよ』は、僕が書いた本をベースにしたベンチャー起業を志す若者の物語ですが、まさにこれも「夢・恋愛・金・友情」がテーマです。

――今後の完全オリジナルドラマでの目標というものはありますか?

藤田 :大きく当てたいという気持ちはもちろんあります。大ヒットドラマを世に出していく確率を上げたいと思っています。そして、AbemaTVのオリジナルドラマは質が高いという信頼感ができればいいなと思っています。

――横内さんは、もう一度AbemaTVでドラマを作りたいという思いはありますか?

横内:現場の人たちはみんなそういう気持ちで、やる気満々ですよ! みんなそれぞれに抱えていた悔しい気持ちを今回ぶつけることができた。自分はもっとできるのにっていう思いがとてもくみ取られていたので、「もう1回やりたい」と途中からみんな話していました。そこで競争が激しくなっていくべきだと思うし、巨匠まで登場するようになっていったらうれしいなと思います。

藤田 :作り手の方にそう言っていただけて、僕としてもうれしいです。AbemaTVはそういう場でありたいです。

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