川崎重工は2月6日、名古屋第一工場においてボーイング777X初号機用胴体パネルの納入式を行った。今後、初号機用胴体パネルは、同工場から米国シアトル近郊にあるボーイング社の777X組立工場へ出荷される。

  • 川崎重工では、前部・中部胴体パネル、主脚格納部、後部圧力隔壁、貨物扉の分担製造を担当

    川崎重工では、前部・中部胴体パネル、主脚格納部、後部圧力隔壁、貨物扉の分担製造を担当

777-9の概要は、座席数は400~425席、最大離陸重量は77万5,000lbs、航続距離は7,600nmi(1万4,075km)、機体サイズはW71.75m×H19.53m×L76.72m。この777Xプロジェクトにおいて川崎重工は、前部・中部胴体パネル、主脚格納部、後部圧力隔壁、貨物扉の分担製造を担当しており、今回納入する前部・中部胴体パネルは、2017年2月に竣工した名古屋第一工場777X組立工場で最終組立を行う。

777X組立工場では、自動で穿孔位置を認識して作業を行う自社製ドリルロボットの導入や、打鋲の対象範囲が拡大したオートリベッター(自動打鋲機)など、全社の技術シナジーを発揮し開発した最先端の画像センシング技術や制御技術を駆使した新規開発設備を導入している。

これらの設備による自動化とともに、これまで培ってきたKPS※(カワサキ・プロダクション・システム)を融合させることで、高品質かつ効率的な生産を行う。さらに、将来のスマートファクトリー化に向けて、ICT/IoTなどのインフラ整備も積極的に推進していく。

  • ドリルロボット(大口径穿孔用ロボット)は、胴体外板と補強部品をボルトなどで結合するための穴を自動で穿孔するロボット

    ドリルロボット(大口径穿孔用ロボット)は、胴体外板と補強部品をボルトなどで結合するための穴を自動で穿孔するロボット

  • 部品位置決めロボットは、図面に従い柔軟に取り付け位置を制御し、自動取り付け作業を実現

    部品位置決めロボットは、図面に従い柔軟に取り付け位置を制御し、自動取り付け作業を実現

  • タッキングロボット(フレーム仮結合用ロボット)は、 胴体外板と補強部品を自動で仮締結するロボット

    タッキングロボット(フレーム仮結合用ロボット)は、 胴体外板と補強部品を自動で仮締結するロボット

※KPSは、Just in Timeシステムをベースに当社の各生産ラインにおける適用を通じて開発・実証された川崎重工独自の合理的な生産管理技法で、量産・個別生産を問わずあらゆる生産ラインに展開が可能なシステム