JR東日本新潟支社が1月30日に報道公開した電気式気動車の新型車両GV-E400系。量産先行車3両(1両・2両編成が1編成ずつ)ともに川崎重工が製造した。2月から各種試験を行い、今後の量産車製造に反映していく。
新潟地区、秋田・青森地区へ電気式気動車の新型車両を投入するにあたり、JR東日本は2015年に公募調達を実施。国内外の多数の企業から応募があり、その中から契約先を選定したという。報道公開で取材に応じたJR東日本鉄道事業本部の照井英之氏は、「車両調達に応募した企業の中から、技術面・コスト面なども考慮して選び、調達しました。車体は川崎重工に製造していただいています」とコメントした。
GV-E400系は駆動システムに電気式を採用。「新型電気式気動車は電車と同じシステムで動力を伝達します。ディーゼルエンジンで発電機を回して電気を発生させ、主変換装置で整流してモーターへ電力を供給し、車輪を回すしくみとなっています」との説明もあった。JR東日本はこれまでにハイブリッド式気動車も投入してきたが、照井氏によれば「バッテリーを積むことで重量増となり、バッテリーのメンテナンスも必要になります。ライフサイクルコストも含めてトータルに判断した結果、今回は(バッテリーを搭載しない)電気式気動車のシステムを採用することになりました」とのこと。
照井氏は「電車と同じような技術を採用したこの車両で、安全安定輸送のさらなるレベルアップとお客様へのサービス向上を図りたい」「当社所有の車両約1万3,000両のうち、約1万2,000両が電車です。電車と同様のメンテナンスができ、電車と同じ最新技術を採用できることはメリットがあると感じています」ともコメント。先進性とシンプルさを兼ね備えた外観・車内デザイン、電動車いす対応トイレの設置なども特徴に挙げた。「これから量産先行車による性能試験などを行い、所定の性能が出ているか、サービス上の問題はないか確認していきます。新潟地区の新しい顔として、多くのお客様に親しまれる車両にしたいと思います」(照井氏)と話していた。
JR東日本は2015年に電気式気動車の公募調達を行った際、新潟地区と秋田・青森地区へ計63両(1両編成×19編成、2両編成×22編成)を投入し、これらの車両も含めて約150~250両の電気式気動車を新造。既存の気動車を置き換える予定としていた。新型車両GV-E400系の量産車は2019年度までに新潟地区へ投入(営業時期など詳細は決まり次第発表)、2020年度には秋田・青森地区にも投入予定となっている。