「CX-5」に比べ200キロの重量増

CX-5に比べ車両重量の増加を感じさせないと試乗前に解説された動力性能については、やはり200キロという重量増は大人3~4人分の体重に相当するため、影響を無視しえない状況だった。

低回転域で大きな力を発揮するディーゼルエンジンとはいえ、例えば実際の交通環境の中で、時速40キロから50キロへ、あるいは50キロから60キロへというように、わずかな速度調節のため加速をしたいとき、一瞬のもたつきというか、遅れが生じた。

  • CX-8のエンジンルーム

    低回転域で力を発揮するディーゼルエンジンを搭載

強くアクセルペダルを踏み込んだ時の動力性能はかなり改善したとの説明であったが、アクセルペダルを強く踏み込むような場面は日常生活の中でめったにあることではない。もっと実用領域での気持ちよさや加速の俊敏さに開発の労力を注いでほしかったと思う。ここにおいてもマツダの勇み足と思える作り方が見えた。

ただ、それ以外の走行安定性や乗り心地について気掛かりな点はなく、快適に運転することができた。

3列目で感じた安全への目配り

また、2列目と3列目にも座ってみたが、2列目の座席は床との差が十分にあって、足を下へきちんと降ろした姿勢で座ることができ、それによって腿が座面で支えられるので、体を安定させやすかった。

  • CX-8の3列目から見た画像

    3列目にも座ってみた

3列目は、さすがにやや体育座りに近い格好になるが、できるだけ足を曲げずに済む着座位置にしたとの説明である。その上で、やや体を斜めにして座りたくなったが、それでもシートベルトがきちんと腰の位置に落ち着き、走行中にズレることもなく、万が一の衝突に対しても体の拘束という安心が確保されているところに、安全への目配りの効いた作り込みがなされていることを知った。1列目から3列目まで、手抜きの無い開発が行われた1つの証と言えるだろう。