JR東日本千葉支社は4日、サイクルトレイン「B.B.BASE」の報道公開を実施した。両国駅3番線ホームで外観・車内を公開した後、試乗会の列車として両国駅から千葉駅まで運行された。「B.B.BASE」は2018年1月6日から運行開始を予定している。

  • 209系改造のサイクルトレイン「B.B.BASE」が両国駅3番線ホームに入線

公開された車両は209系を改造した6両編成で、1号車から「クハ208-2202」「モハ208-2204」「モハ209-2204」「モハ208-2203」「モハ209-2203」「クハ209-2202」。列車愛称名は「BOSO BICYCLE BASE」(房総バイシクルベース)で、「B.B.BASE」(ビー・ビー・ベース)はその略称とされている。「房総の各地を、バイシクル(自転車)で、駆け巡るためのベース(基地)」をコンセプトに、房総エリアのサイクリングをより楽しめるように、自転車を折りたたまずそのまま乗車できる列車として計画された。

外観は「B.B.BASE」のロゴや号車番号、オリジナル自転車をアクセントとしたデザインに。車内は4号車をフリースペースとし、1・2・3・5・6号車に座席(計99席)とサイクルラック(計99基)を設けた。車内の座席は4人掛け・2人掛けのボックス席となり、横3列(2列+1列)の配置とすることでゆったりとしたスペースを確保。各ボックス席にテーブルとコンセント(2口)も設置している。サイクルラックはフックを引いてガイドフレームを引き出し、前輪をガイドフレームに乗せて後輪をラックの中にはめ込み、フレームをベルトで固定することで、自転車を解体することなく搭載できるという。

報道公開が行われた12月4日、「B.B.BASE」は9時46分頃に両国駅3番線ホームへ入線。JR東日本千葉支社営業部販売課長、京田直紀氏が挨拶し、「房総エリアは比較的平坦で走りやすく、風光明媚な景色もあってサイクリングに魅力的な場所といわれています。ぜひ『B.B.BASE』に愛車と一緒にご乗車いただき、房総を駆け巡る旅を楽しんでいただきたい」「車内すべての座席にサイクルラックを設けており、愛車と一緒に利用可能です。4号車のフリースペースはお客様同士のコミュニケーションの場、あるいはイベント開催の場として活用できます」と述べた。

  • 「B.B.BASE」の出発駅となる両国駅で報道公開が行われた

  • 「B.B.BASE」の車内。4号車はフリースペース。他5両に座席とサイクルラックが設置されている

  • サイクルラックのガイドフレームは2段階あり、24インチ以下の自転車は最初の段階(写真中央)で止め、前輪をガイドフレームに乗せる必要があるという

「B.B.BASE」は1月6日の「B.B.BASE 内房」(両国駅7時39分発・館山駅9時55分頃着・和田浦駅10時50分頃着)から運行開始し、その後は毎週土日に両国駅から内房線・外房線・成田線・総武本線の各方面へ運行される予定だ。京田氏は両国駅を「B.B.BASE」の出発駅とした理由に関して、両国駅がかつて房総方面への列車の始発駅だった歴史があり、現在も同駅発着の臨時列車があること、両国駅の駅構造が自転車の持ち込みに適していることなどを挙げていた。両国駅で報道公開された「B.B.BASE」はその後、試乗会の列車として11時18分に同駅を発車。総武本線を走行し、11時51分に千葉駅に到着した。

「B.B.BASE」は全席旅行商品のみの発売で、きっぷの発売は行わない(「みどりの窓口」や指定席券売機での購入は不可)。旅行商品は内房・外房・佐原・銚子の4エリアそれぞれに日帰りと宿泊の商品を用意しており、首都圏のおもな駅にある「びゅうプラザ」をはじめ、インターネット・電話での申込みも可能となっている。

なお、運行開始に先立ち、12月9日に両国駅3番線ホームで「B.B.BASE」の展示イベントが開催され、車両外観(5・6号車を除く)や3・4号車の車内を見学できるという。運行初日となる1月6日も、ロードバイク・トライアスロンが趣味の団長安田さん(安田大サーカス)らをスペシャルゲストに招き、両国駅で出発式・トークイベントを開催する。

  • サイクルトレイン「B.B.BASE」の車内・外観