日本で充実しつつあるEVの選択肢

現在、国内で購入できるEVには、日産リーフの他に、三菱自動車工業「i-MiEV」、BMW「i3」、テスラ「モデルS」および「モデルX」といった選択肢がある。そして間もなく、フォルクスワーゲン「ゴルフ」のEVも加わる。「e-ゴルフ」は2017年末から限定車種が納車開始となり、2018年には通常の受注が始まる。

このうち、軽自動車のi-MiEVは約227万円からという価格設定だ。次に新型リーフが約315万円からという値段となっている。そして、i3やe-ゴルフは500万円前後である。テスラは同社初の量販車となる「モデル3」が導入されるまでは、モデルSやモデルXは約1,000万円からの価格となる。

リーフも、プロパイロットが標準装備されるのは最上級車種の「G」グレードで、価格も400万円近くにはなるが、エコカー減税、自動車税減税、クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金を合わせると、最大で約55万1,000円の優遇措置を得られる。先進技術はともかく、EVを安く手に入れたいというのであれば、廉価版の「S」グレードなら実質的に260万円弱で手に入れられることになる。

廉価版の「S」グレードであれば新型「リーフ」は260万円弱で手に入る

日産が活用する先行者としてのノウハウ

新型リーフは、特別なクルマではなく普通のクルマとしてEVを選んでほしいと開発された2世代目だ。その目的は、性能的にも価格的にも果たされていると試乗で実感することができた。

さらにプロパイロット・パーキングは、これまでに経験した他社も含めた駐車支援機能に比べ、明らかに簡単・便利で実用的に仕上がっており、技術の日産を誇れるだけの先進性を備えていた。

日産は性能的にも価格的にもEVを普通のクルマにしたと言える

EVを2010年に導入し、通信機を搭載して充電場所の検索をしやすくしたり、スマートフォンとの連携により、充電中のリーフに自宅から空調のオン/オフを指示できるようにしたりと、EVならではの特徴をいかした商品性をいち早く実現してきた日産は、先駆者としてのノウハウをリーフの2世代目に活用している。

EVは、もはや特別なクルマではなく、EVであること以外の装備や機能によって選ばれるべきクルマに前進しているのを新型リーフで実感した。まずは、このクルマを自分の手で運転してみることを大いに薦める。