ドイツの高級車ブランドに対抗、レクサスもライバル?

東京モーターショーで世界初披露されている次期「クラウン」は、世界的に需要がSUVなどに取って代わられようとしている「セダン復権」へ向け、トヨタの高級車としてのあるべき方向を目指したものだ。

「トヨタの高級車として、ドイツのベンツ、BMW、アウディに負けない走りとスタイリングはニュルブルクリンクサーキットで徹底的な走行テストを行い、デザインもスポーティ化を意識して若者層の吸収へ」と秋山チーフエンジニアも強調する。ライバルは、メルセデス・ベンツ「Eクラス」、BMW「5シリーズ」、アウディ「A6」といったドイツ御三家であり、かつ陣営内の「レクサス」でもあるとする。

「クラウン・コンセプト」は次期クラウンに向け、トヨタが打ち出す明確なコンセプトだ。コンセプト1は「世界の走りをぬりかえる」、コンセプト2は「相棒のように話せる」、コンセプト3は「街とつながり事故を減らす」、コンセプト4は「進化するクルマ」である

クラウンとして初めてTNGAを採用、走行安定性に磨き

クラウン初の「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー、詳しくはこちら)採用でプラットフォームは一新。エンジンは「GRシリーズ」に新開発V型6気筒3.0リッター、「ロイヤル/アスリート」には4気筒2.5リッターハイブリッドおよび2リッターターボを設定する。「ニュルでの走行テストでは、意のままに操れるハンドリング性能に加え、低速域から高速域までドライバー目線がぶれない走行安定性を実現した」(秋山氏)という。

スタイリングも歴代クラウン初の6ライト制を採用し、迫力を増したフロントマスクやリアの4本マフラーなど、ファストバック色を強めてチャレンジしているのが特徴だ。

スタイリングでもチャレンジする次期クラウン

一方、次期クラウンはトヨタのコネクティッドカー戦略の先陣とも位置づけられる。「次期クラウンではDCM(データ・コミュニケーション・モジュール)をトヨタ車初の標準装備とし、ネットワークとコネクトしてユーザーに安心・安全を提供する」(相原誠コネクティッドカンパニー・テレマティクス事業室長)ことになる。

現行の14代目クラウンは「ピンクのクラウン」で話題を集めたが、次期クラウンはトヨタが新たな時代に向け、「トヨタの高級車」を追求したクルマだといえよう。