フルモデルチェンジを経ていよいよ発売となったレクサスのフラッグシップセダン「LS」。開発を担当した旭利夫チーフエンジニアは「高級車の概念を再定義すべく、全てを根本から見直した」と語る。それでは、新型LSは既存の高級セダンと何が違うのだろうか。

1989年に登場した初代から数えて5代目となる今回の新型「LS」。発売日は10月19日、価格は税込みで980万円から1,680万円だ

デザイン・走り・安全性で高級車を再定義

「高級車の概念を再定義」すると語る旭氏に、既存の高級車の概念と、新型LSが示す既成概念との違いを尋ねると、同氏はまず、これまでの高級フラッグシップセダンの在り方として、「例えばデザインでは伝統的なスリーボックス」であり、パワートレインについては「大排気量の大きなエンジンでパワーを稼ぐ」のが一般的だったとした。

では、新型LSは何が違うのか。まずデザインを横から見ると、クルマの後部にかけて流線型を描くクーペスタイルが印象的だ。確かに、エンジンルーム、キャビン、トランクルームに分かれるスリーボックスカーとは一線を画している。

クーペスタイルが特徴

パワートレインはというと、新型LSが搭載するのはV型6気筒3.5リッターのツインターボエンジンとマルチステージハイブリッドシステムの2種類であり、ダウンサイジング(旭氏はスマートサイジングと表現)を実現している。そうなると、高級車らしい動力性能が担保されているのか心配になるが、旭氏によれば、ツインターボエンジンと「Direct-Shift 10AT」(10速オートマチックトランスミッション)の組み合わせにより、競合する「V8ターボと同等以上の」加速性能を持たせることができたという。

また、先進の安全技術についても、新型LSでは先進技術を押し売りするのではなく、乗る人とクルマが対話・協調するような、人に寄り添う安全技術を目指したとのことだ(新型LSの高度運転支援システムについて、詳しくはこちら)。

これまでの高級セダンとは一線を画す存在だとレクサスが自信を示す新型LS。では、どのような顧客をターゲットとし、どのくらいの販売台数を目指していくのだろうか。