長時間の生体情報モニタリングが可能な機能素材「hitoe」と赤ちゃん見守り用アプリ「hitoeBABY」の実証も実施

ANAとコンビ、東レ、日本電信電話(NTT)は10月1日、「赤ちゃんが泣かない!?ヒコーキ」プロジェクトを立ち上げ、プロジェクト第一弾となる「赤ちゃんチャーター便」を実施する。同便には、4社グループの社員で3歳未満の赤ちゃんを持つママ・パパを対象に、乗客全員が小さな子供連れとなるフライトで機内では、ベビーマグやタブレットによる耳抜きの効果の確認と、「hitoe」を用いて赤ちゃんの状態を推定するトライアルを行う。

小さな赤ちゃんを持つママ・パパの中には、機内で赤ちゃんが大泣きし、周囲の乗客に迷惑がかかることを心配して、赤ちゃんが大きくなるまでは飛行機での移動を避けるという人もいる。そこで、各社の強みを生かして赤ちゃんが機内で泣く原因のひとつと考えられる、気圧変化による耳痛の解消に役立つ赤ちゃん用の耳抜き(耳管の自己通気)グッズの開発に取り組む。さらに、赤ちゃんの心拍数などの生体情報をもとに、赤ちゃんの快適さや不快などの状態をモニタリングして大泣きを予知する技術検討を進める。

同プロジェクトは、小さな子どもをもつママ・パパも安心できるフライトを目指しているANA、赤ちゃんグッズ開発に関して豊富なノウハウと実績を持つコンビ、長時間の生体情報モニタリングが可能な機能素材hitoeを共同開発し様々なサービス開発に取り組んでいる東レ・NTTの4社が連携し、発足しました。また、今後の事業化に向けて、hitoeを活用したサービスの提供実績を持つNTTコミュニケーションズ(NTT100%子会社)が参画する。

各社の役割として、ANAは飛行中の赤ちゃんやママ・パパのお困り事・解決方法などのノウハウを提供する。コンビは赤ちゃんグッズの試作やモニタ調査、赤ちゃんやママ・パパのお困り事・解決方法などのノウハウを提供する。東レは赤ちゃん用hitoeウェアを提供する。NTTは赤ちゃん用生体情報モニタリングの仕組みの提供やモニタ調査、hitoeや心拍数モニタリング技術全般のノウハウを提供する。

チャーター便では、既製品のベビーマグを利用して離着陸時に飲みものを飲ませ、効果をヒアリングする

プロジェクト第一弾として10月1日、4社グループの社員で3歳未満の赤ちゃんを持つママ・パパを対象に、乗客全員が小さな子ども連れとなる成田=宮崎線「赤ちゃんチャーター便」を実施。機内において、ベビーマグやタブレットによる耳抜きの効果の確認と、hitoeを用いて赤ちゃんの状態を推定するトライアルを行う。今後、機内などでの実証を重ねてデータや知見を収集し、「赤ちゃんが泣かない!?ヒコーキ」の実現を目指す。

機内で行う実証として、飛行機の離着陸の際の機内の圧力変化によって、中耳内圧と外気圧に圧力差が生じ、耳が痛くなったり、耳が詰まるような違和感を生じることがある。特に赤ちゃんや小さな子どもは、この痛みが原因となり機内で泣き出す場合があるため、耳抜きサポートグッズ ベビーマグを用いて飲み物を飲んだりすることにより、耳管が開き中耳の換気を促すことによって、気圧変化に伴う痛みの解消を目指す。

また、赤ちゃんや小さな子どもは言葉で身体の状態を説明できないため、その状態を調べるには赤ちゃんの様子を注意深く観察する必要があり、経験を要する。赤ちゃんの心拍数は、泣いている状態や興奮している状態では心拍数は上昇し、心地よい状態やぐっすり眠っている状態では心拍数が下降する傾向を示すことから、赤ちゃんの状態を推定する手がかりとなる。心拍数のモニタリングによって、泣き出す前の兆しなどの、赤ちゃんの状態変化の察知を促せる。

機内で実証する開発中の赤ちゃん用hitoeは、装着の容易な胸部に巻くタイプの心拍センサで刺激性の少ない素肌に優しい素材から作られており、赤ちゃんの心拍数を負担なく正確に計測することを目指している。さらに、赤ちゃん見守り用アプリ「hitoeBABY」は、スマートフォンに赤ちゃんの状態とその推移を分かりやすく表示する。