泡盛にオリオンビールのカクテルも!

東京にも沖縄料理の店が増え、泡盛やオリオンビールは、そのへんのスーパーでも売られるようになっている。しかし、やはり"手に入りにくい珍品"は存在する。「片桐酒店」でたずねると「ここには珍しいものが多いですよ」とのこと。一緒に店内を巡りつつ、あれこれと楽しそうに紹介してくれた。

店先のゴーヤ棚が涼し気

「飲み歩きなら、計り売りの泡盛もいいかも。強いお酒だけど、水で割ったら飲みやすいですよ」と教えてくれたが、とりあえずはミニボトルの泡盛「忠孝」(税込280円)、「瑞泉」(税込360円)と、限定品のオリオンビール「トロピカルコレクション パイナップルのビアカクテル」(税込185円)をチョイス

ミニボトルの泡盛「忠孝」(税込280円)や「瑞泉」(税込360円)、そして、限定品のオリオンビール「トロピカルコレクション パイナップルのビアカクテル」(税込185円)も。ゴーヤ棚の下にテーブルセットがあり、その場で飲むこともできる。一足先に飲み始めていた常連さんが、「泡盛はトマトジュースで割るとうまい」と熱く語っていた。毎日ここで飲んでいて、お店の泡盛は全て制覇したという。ツワモノである。

店の前では、年配の店主(らしき人)が路上アートを描いていた

怪し気だけど入ってみたい!「めんそ~れ大都市場」

沖縄タウンは狭い範囲にいろいろなものが詰め込まれている。「ここ入れるの?」と思うような小径ものぞきながらゆっくりと歩いてもらいたい。

「めんそ~れ大都市場」は、入り口にシーサーがなければただの怪しい裏道にしか見えないかもしれない。しかし入ってみると、とっても沖縄。雰囲気に浸るためだけでも通ってみたい。

L字型に続く、めんそ~れ大都市場の奥。沖縄タウンのこの一角だけがアーケードになっている

女子なスイーツもあります

あまり沖縄っぽくはないが、女子向けアイテムをひとつ。片桐酒店で「おいしい」と教えてもらったスイーツの店「bon pin gateaux(ボン・パン・ガトー)」を訪れてみた。ここも他の店と同様、細かく商品の説明をしてくれて、何だか人懐こい。季節のフルーツを使ったパウンドケーキのうち「マンゴーとココナッツのケーキ」は、一応、沖縄感があるかもしれない。

「季節のパウンドケーキ」(税込400円)。一般的なパウンドケーキよりもふんわりしていて、どちらかと言うとスポンジケーキに近い食感

猫と島豆腐をつまみにちょっと一杯

めんそ~れ大都市場の入り口付近にある立ち飲み屋「納戸」へ向かう。ここは16時から開店とのことで、時間を調整して戻ってきた。「沖縄的なメニューは?」と問うと、カウンター越しに「うちは沖縄の店じゃないのよ(笑)」とのこと。しかし、「島豆腐の赤味噌煮込み」(税込160円)はメニューに載っていた。

メニューにはオリオンビールもある。「隣の看板を見て、『オリオンビールは?』って言われるから、一応それだけ置いているの」とのこと。缶でのみ販売のため、少しだけ立ち飲みしたい場合は通常の「生ビール(小)」(税込280円)はいかがだろう

「島豆腐の赤味噌煮込み」(税込160円)。そのほか、自分で削る「セルフかき氷」(税込250円)なども。どういうわけか2階にはギャラリーがあり、アートを楽しむこともできる

沖縄タウンは、形だけ沖縄にしたような雰囲気はなく、訪れた人を温かく迎える親密さも兼ね備えているような気がした。海はないが、ちょっとした癒しを求めて「杉並の沖縄」へと旅してみてはいかがだろうか。

納戸の前の花屋オーナーが、ツヤツヤな毛並みの猫をなでていた。「実は野良猫なんだけど、このへんの人みんなに愛されている」とのこと。猫同士もとても仲が良さそうだ

筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。