外国船クルーズの場合、カボタージュ規制のため、短くても5泊6日程度の日程が必要になる。働きながらだと、なかなか調整が難しいのが現実だろう。しかし、「アジアにおけるクルーズの先駆者が初めて日本に寄港」ともなると、やはり気になるものではないだろうか。それも、思いの他リーズナブルに豪華な旅が楽しめるという。そこで今回、「スーパースター ヴァーゴ」が誘うクルーズ旅の魅力を凝縮して紹介しよう。

「スーパースターヴァーゴ」が初めて日本に寄港

東京ドーム約1.5倍の「洋上のリゾート」

「スーパースター ヴァーゴ」は、1993年に設立された香港ベースのスタークルーズが運航するクルーズ客船。同社は、TTGトラベル・アワードの「ベストクルーズオペレーダー(アジア太平洋地域)」部門を10年連続で受賞した他、2017年度ワールド・トラベル・アワードの"アジア・リーディング・クルーズライン(Asia's LeadingCruise Line)"部門において、6年連続となる最優秀賞を受賞するなど、世界的にも高く評価されている。

「ヴァーゴ」は英語で「おとめ座」という意味

スタークルーズの旗艦船である13階建てのヴァーゴは、1999年にドイツで建造された客船で、総トン数7万5,338トン、全長268m、全幅32m、航海速力24ノット、最大速力25.5ノットというスペックになっている。「どこかで見たことがある!」という人もいるかもしれないが、実はこの客船、嵐の櫻井翔さんと北川景子さん出演で実写化したテレビドラマの劇場版『謎解きはディナーのあとで』にも登場している。

キャビンは全部で935室あり、乗客は1,870人まで対応可能。乗員を含めると3,000人程度の人が一気に乗り込むことになる。なかなかイメージが湧きにくいかもしれないが、広さを換算すると東京ドームの約1.5倍。まさに、「洋上のリゾート」という言葉がぴったりだ。

レセプション前のフロアには黄金に輝く馬が。香港ベースのクルーズ客船ゆえに、風水を意識したインテリアも施されている

2017年7~11月限定でヴァーゴが誘う初の日本発着クルーズは、毎週土曜日出港の7泊8日(大阪→横浜→清水→鹿児島→(終日航海)→上海(中国)→(終日航海)→大阪)と、毎週日曜日出港の7泊8日(横浜→清水→鹿児島→(終日航海)→上海(中国)→(終日航海)→大阪→横浜)の2種類がある。大阪発では20回、横浜発では21回の食事が含まれている。なお、乗船にはパスポートが必要になる(クルーズ終了時に有効期限が6カ月以上必要)。加えて、9月中旬は航路変更があるため、詳細はホームページを参照していただきたい。

風水では「8」が最もパワーの持つ数字と言われている。それゆえに、レセプションの鳥も八の字を描いている

旅心に合わせて選べる6つのキャビン

冒頭で"思いの他リーズナブル"と述べたので、先に料金について触れておこう。935室あるキャビンは全部で6タイプある。窓がない「インサイド ステートルーム」(定員3,4人/12万8,000円~)、海側で窓がある「オーシャンビュー ステートルーム(窓付)」(定員3,4人/15万8,000円~)、バルコニー付きの「オーシャンビュー ステートルーム(バルコニー)」(定員2~4人/19万8,000円~)が、一般的なキャビンとなる。

キャビンフロアは海の中をイメージしており、至る所に貝をデザイン

窓がない「インサイド ステートルーム」(定員3,4人/12万8,000円~)

窓がある「オーシャンビュー ステートルーム(窓付)」(定員3,4人/15万8,000円~)

バルコニー付きの「オーシャンビュー ステートルーム(バルコニー)」(定員2~4人/19万8,000円~)

撮影時は着岸中だったが、航海中はもちろん、側には果てしない海が広がる

さらにその上を行くスイートとして、バルコニーなしの「スター スイート」(定員3人/21万8,000円~)、バルコニーとジェットバス付きの「ジュニア スイート」(定員4人/22万8,000円~)、そして、バルコニーとジェットバス付きの「エグゼクティブ スイート」(定員3人/31万8,000円~)が設けられている。

バルコニーとジェットバス付きの「ジュニア スイート」(定員4人/22万8,000円~)

バルコニーとジェットバス付きの「ジュニア スイート」(定員4人/22万8,000円~)

バルコニーとジェットバス付きの「エグゼクティブ スイート」(定員3人/31万8,000円~)

バルコニーとジェットバス付きの「エグゼクティブ スイート」(定員3人/31万8,000円~)

それぞれのキャビンには、一般的なホテルに設備されているような設備やアメニティーを完備しているが、特に「ジュニア スイート」と「エグゼクティブ スイート」ではフルーツやワインのサービスもあり、キャビン担当のクルーがサポートしてくれる。なお、船内は一部エリアを除いて禁煙(電子タバコを含む)だが、キャビンは喫煙可となっている。

「ジュニア スイート」と「エグゼクティブ スイート」にはジェットバスを設置

「ジュニア スイート」と「エグゼクティブ スイート」限定でフルーツやワインのサービスも

上記金額は2人1室利用時の大人ひとりの料金で、出航時点で2歳以上は全て大人料金となる(2歳未満は大人ひとりの代金の25%)。3,4人目以降の代金は大人ひとりの代金の50%なので、上位クラスであっても3,4人で利用すれば、ひとりあたりの料金はもっと割安になる。また、ひとり部屋代金は大人ひとりの代金の150%となる。料金には別途、港湾税(1万2,500円)と船内チップ(スイート以上は大人ひとり1泊120香港ドル、バルコニー以下は大人ひとり1泊100香港ドル、2歳未満は不要)が必要になる。

なお、お得な特典として、乗船日から61日前までに申し込めばひとり2万円引きになるほか、バルコニー以上の利用者には船内で使用できるオンボードクレジットを1,000香港ドル(約1万4,000円)をプレゼントしている。

宿&食事&エンタメ&手ぶら観光が全て込み

一番安い時期に「インサイド ステートルーム」を大人2人1室利用時した際の、大人ひとりの料金を計算してみると、キャビン代(12万8,000円)+港湾税(1万2,500円)+船内チップ(700香港ドル=約9,800円)で15万300円。さらに、61日前までに申し込めば13万300円となる。旅程は7泊8日なので、単純計算すると1日約1万8,800円(61日前申し込みで1日約1万6,300円)ということになる。加えて、大人4人なら早期申し込み割引で1日1万2,300円からという計算になる。

夜はセレブリティ(ナイトクラブ)でゆったりと

クルーズ旅行の醍醐味と言えば、荷物を船内に預けっぱなしにしてさまざまな地に行けることだ。ある意味、目的地の方が近づいてくれるというもの。今回のクルーズでは、海外を含んだ4都市をゆったり巡る。そして船内では、細部にまで行き届いたアジアンホスピタリティの中での宿泊に、多彩なグルメに、様々なエンターテイメント。下船してからの観光料金は別途必要になるものの、これらのサービスや体験を踏まえて考えると、"思いの他リーズナブル"な旅ができるのではないだろうか。

この横浜の夜景も客船の上でないと見ることができない

なんとなく、手が出せないような料金ではないことが分かったとしても、やはりそのサービス次第だろう。続いては、船内で楽しめるサービスについて紹介しよう。