1分半のために3~4日かかっている
――今回はシリアスなシーンもたくさんあって、撮影も苦労があったのではないかと思います。
撮影はもう、本当に大変でした。朝から夜中まで及ぶこともありましたし、編集から仕上げまで完成ギリギリまでCGの作業もあって、大作ですね。アクションの訓練も相当しました。アクションも1分半のために3~4日くらいかけて撮っています。ただ、志村新八(菅田将暉)VS武市変平太(佐藤二朗)は、午前中だけです(笑)。
前日まで撮っていた神楽(橋本環奈)VS来島また子(菜々緒)は、早朝から遅い時間まで毎日、3日くらい連続で撮っていたんですよね。もう菜々緒さんがへとへとになっていたんですが、翌日来て、佐藤さんが「ヤバダバドゥー」なんて言いながら戦っているのを見て……
菜々緒「監督、これってどれくらい使うんですか?」
監督「まるまる使うんじゃない?」
菜々緒「何分くらいですか」
監督「3分くらいかな」
菜々緒「私が昨日までやってたアクションってどれくらいなんですか?」
監督「1分半くらいかな」
というやりとりが行われてました(笑)。
――アクションシーンにも、それだけメリハリが……。
激しいメリハリですね(笑)。端から端に行っちゃう。
※菅田将暉VS佐藤二朗シーンは予告1の最後に。
――逆に、これは楽しかった、思い出深いということはありますか?
全部楽しかったですね。役者の皆さんも、本当に楽しかったと思うんです。朝から夜中までの撮影だったので、過酷だったとは思うんですが、こういうジャンルの映画も日本にはあまりないし、その中でみんなでワクワクしながら撮れたのでやりがいもあったと思います。普通は自分の出番が終わった後は帰るんですけど、私服になった後にモニターの前に戻ってきて、「銀さんがやってるから見ていこうかな」「ギャグシーンだから見ていこうかな」と自分以外のシーンを見てから帰るんですよ。
今、日本で1番は小栗旬
――主演の小栗さんにもインタビューする予定ですが、何か伝えたいことがあればぜひ。
多分役者さんって、自分の作品を最初に観た時は恥ずかしいんだと思います。だから、2~3回目に観たらどういう感想になったのか、知りたいですね。
小栗さんは本当に主役です。座長なので、キャストの中ではリーダーだし、プロデューサー的な思考もある。アクションをどうしたらいいのかというのも、小栗さんのアイディアです。日本の伝統的な剣術で喧嘩殺法をやるのは難しいので、「韓国の方を連れてきて、違うものを入れよう」と提案してくれました。自分がアクションの中心になるので、プランニングを考えてきてくださる。
――そういう方は珍しいですか?
もちろん主役の方はだいたい作品全体のことを考えてくださっていますが、プロデューサーや監督とちゃんと向き合って、明快に「この作品はこうすべき」と話をする方は少ないですね。これからの日本映画界を引っ張る人だと思っています。私は本当に、今、日本で1番は小栗旬だと思います。
――ちなみに、松橋プロデューサーが「打倒、この映画」と思うような作品はありますか?
あんまりライバルがどうこうと考えたことはないんですが、実写邦画で今年一番のヒット作になって欲しいです。
※男達の銀魂道、次回はキャスティングについて、引き続き松橋プロデューサーにお話を伺います。