JR東海は24日、河川に架かる橋の橋脚の周囲に設置した「根固めブロック」が正しい位置に保持されているか3次元レーザースキャナで検測する新たな位置計測装置を開発したと発表した。9月から東海道新幹線富士川橋りょうに導入する。

JR東海が3次元レーザスキャナを用いた富士川橋りょうの根固めブロック計測装置を開発(※写真はイメージ)

台風などの大雨で河川が増水すると、橋脚の周りの地盤が激しい水流で掘られ、橋脚が傾くなどの被害が発生する恐れがある。このため、急流に設置されている富士川橋りょう(東海道新幹線新富士~静岡間)では橋脚の周囲に約4万個の根固めブロックを設置し、地盤が掘られるのを防いできた。しかし河川が増水するたび、根固めブロックが流されたり沈下したりしていないか確認する必要があり、多大な時間と労力を要していたという。

今回開発した位置計測装置は、橋桁から水面に向かって3次元レーザースキャナを投射することで、4万個のブロックすべての計測が可能に。これまでのヘリコプターと人力による計測では約250個ほどしか計測できなかったため、検測できる量が飛躍的に伸びることになる。

検測誤差についても、これまでは10cm単位で誤差が生じていたが、今後は2mm以内に収まるという。検測結果を出力するまでの期間も従来の約1週間から1日へと大幅に短縮。ヘリコプターを飛ばすために1回あたり300万円かかっていた検測費用も不要となる。また、これまで専門技術者が検測結果を分析していたが、今後はブロックの移動前後を異なる色で表示することにより、ひと目で判断できるようになる。

JR東海によれば、鉄道橋りょうの根固めブロックの位置計測に3次元レーザースキャナを用いるのは国内初。国際航業、ジェイアール東海コンサルタンツと共同で特許を出願済みだという。

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