JR東海は23日、東海道新幹線において脱線時の被害拡大のおそれが大きい箇所で進めている脱線・逸脱防止対策工事について、今後は全線に拡大すると発表した。2028年度の完了をめざす。

東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策工事の対象を全線に拡大

地震時の脱線そのものを極力防止するため、レールの内側に並行して敷設する「脱線防止ガード」の設置工事が対象となる。これまでは東海地震発生の際、強く長い地震動が想定される地区の全区間と、その他の地区の高速で通過する分岐器・トンネル・三主桁の手前の区間、計596kmを優先的に整備することとしていた。

今回の決定により、東京~新大阪間の上下線に加え、各駅の副本線や回送線などを加えた東海道新幹線の総軌道延長1,072kmのすべてに脱線防止ガードが取り付けられることになる。早期に対策を実施するため、2019年度までに施工する区間を現行計画よりも50km追加し、軌道延長646kmまで延ばすことも発表された。