『亀田興毅に勝ったら1000万円』――衝撃的なタイトルと内容でゴールデンウィーク最後の話題を集めたこの特番は、5月7日に5時間にわたって生中継され、延べ1420万という空前の視聴数を記録。アクセスの集中で一時的に視聴できないハプニングも発生した。

これを配信したのは、インターネットテレビ局・AbemaTV。同特番は、開局1周年記念企画として編成されたもので、ほかにも続々とオリジナル番組を制作している。そこで、これまでの評価と今後の展望を、AbemaTVの取締役であるサイバーエージェントの小池政秀常務に聞いた――。


小池政秀
1975年生まれ。法政大学卒業後、1998年に荻島商事(現・アイア)入社。2001年にサイバーエージェントに入社し、2014年から常務取締役、2016年からAbemaTV取締役。

元プロボクサーの亀田興毅が1夜限りでリングに復活し、賞金1000万円をかけて名乗り出た一般応募者4人と対戦した『亀田興毅に勝ったら1000万円』。結果は、最強ホスト、YouTuber、高校教師、そして暴走族の総長という猛者たちに亀田が4連勝し、面目を保った。視聴数は、昨年4月に本開局したAbemaTV史上歴代最高の1420万で、小池氏は「今までの成功例の10倍くらいの数字。これは想像をはるかに超えた数値ですね」と、驚きを振り返る。

このヒットの要因については「さまざまなことが重なった結果だとは思いますが、亀田さんのキャラクターも1つだと思います。現役時代にすごく有名で、言動などにも賛否両論あった方なので、ネットで話題が広がりやすい。また、三階級制覇のチャンピオンという実績がある中で、素人と対決することへの意外性。そして、皆が想像する"イメージそのまま"の一見すると怖そうな暴走族のようないでたちで挑戦者が登場したこと。そういうサプライズの積み重ねで、調印式のタイミングからネットで盛り上がり、本番の試合でブレイクしたのだと思います」と振り返った。

計量の様子や、出場選手のインタビューなどの動画を事前にYouTubeやソーシャルメディアで流すなど、本番への"煽り"は、これまで他の番組でも行ってきたというが、「今回の番組だけは我々の想像を超えた反応が重なっていきました」と、別次元の盛り上がりを体感したそうだ。

その上で、「このような数字が出たことはハッピーですし、新規ユーザーもドンと入ってきてくれたのでありがたいんですが、今回のような結果を毎回出そうという強迫観念的な考えにはならないようにしています」と冷静に受け止めていることを強調。ただ、「スポーツとエンターテイメントの掛け算」というフォーマットには手応えをつかんだといい、今後の番組づくりに生かしたいとした。

『亀田興毅に勝ったら1000万円』より (C)AbemaTV

きょう21日(20:00~22:00)には、事後特番『亀田興毅に勝ったら1000万円 裏側全告白スペシャル』を編成。亀田が、1年半のブランクから恐怖心を感じていたことを告白するほか、自身による試合の振り返り、試合後の対戦者との対談などが公開される。さらに、試合後にネットであがった疑惑の声に対して、亀田本人が回答するといい、再び注目を集めそうだ。