『亀田興毅に勝ったら1000万円』に記録を塗り替えられる前にAbemaTV歴代最高視聴記録を持っていたのは、お笑いコンビ・極楽とんぼが24時間の生番組に挑んだ『極楽とんぼ「KAKERU TV」~24時間AbemaTV生JACK~』(3月4日21:00~5日21:00、視聴数360万)。この番組をきっかけに極楽とんぼは、レギュラー番組『極楽とんぼ KAKERU TV』(毎週木曜21:00~22:00)をスタートさせている。

このように、極楽とんぼにしても、レギュラー番組を持つウーマンラッシュアワーの村本大輔らにしても「思い入れを持って、かなり気合を入れて番組に出演し、制作にもどっぷり参加していただき、自由にやってもらっています」と、番組づくりに打ち込んでいる様子を明かす。

実際のところ、地上波テレビの全国ネット番組に比べると露出量も少ないが、それでも彼らがAbemaTVの番組に魅力を感じるのは、この"自由度"が大きい。それに加え、「1年間やってきたことへの実績をご評価いただいているのと、うちの制作チームも、テレ朝さんのエース級のメンバーに何人も来ていただいて、とにかく良いものを必死に本気で作ろうと意気込んでいるので、そうした熱量が伝わっているのかなと思います」と、背景を説明した。

『極楽とんぼ「KAKERU TV」~24時間AbemaTV生JACK~』より (C)AbemaTV

この番組制作にあたっては、インターネットテレビ局だけに、規制の多い地上波テレビにできないことを意識しているのかと思いきや、「スタッフや演者の方々が作りたいものを作る、やりたいようにやる。新しいコンテンツの企画には、社長の藤田(晋)を中心にプロデューサーが考えていますが、ネットで話題になり、ウケる番組を作ることを重要視していて、企画を考える際に、テレビと比較したりテレビにできないことをしようということは、特に強く意識していないですね」と否定する。

ただ、全体的な考え方として、「僕らはせっかく面白いものを作っいても、知られずに終わってしまうケースも多いんです。だから、コンテンツ自体が、ユーザーの中で口コミになるようなものでないと、届いていかない。それがネット時代で見られるコンテンツになる1つのポイントだと思ってるんです」と明かしてくれた。確かに、前述の『亀田興毅』も『極楽とんぼ』も、ソーシャルメディアで大きな盛り上がりを見せていた番組が、成功につながっている。

一方で、ゴールデンウィークには、1周年記念キャンペーンの一環で、『爆笑問題の検索ちゃん』『虎の門』『くりぃむナントカ』と、テレ朝の往年の名バラエティを次々に編成した。この狙いについては「今回のキャンペーンは初めてマス広告に頼らず成功を狙ったものです。番組自体がブランドを持っている力のあるコンテンツだったので、それを武器にプロモーションも展開しました」と振り返り、視聴数的にも「すごく良かったです」と評価している。