反応が取れるのは見やすいメール

――メールを書く上で、気をつけた方が良いポイントを教えてください

ビジネスメールで一番大切なのは、見やすさです。例えば、行間が詰まっていたり、逆にスカスカしていたり、改行がそろいすぎていたりなど、パッと見て「面倒くさそうだから読むのをやめよう」と後回しにされる可能性があります。すごく良い文章を書いていても、反応が取れないというのは読みにくいことに原因があるかもしれません。

また、受け取る相手のメールソフトがHTML形式に対応していない場合もあるので注意しましょう。例えば、修正箇所を赤字にしたとしても、相手にとってはただの黒い文字にしか見えないこともあります。相手がどういうものを使ってメールを見ているかが分からない以上は、文字色の変更や下線、文中に画像を入れることはしない方が良いでしょう。

――見やすく・読みやすいメールにするために、何かコツはありますか?

見やすくするために、行間を適度にとることや、■や【】などの記号を使って小見出しを入れるのも良いですね。また、箇条書きにすると情報が整理され、文字数が少なくなり読み手にとっても見やすくなります。なるべく、速読できるレベルのメールが望ましいです。

また、読みやすくするには一文をできるだけ短い文章にしましょう。例えば、どうしても「~ですが、~なので、~です」というように、全部一文でつなげて書いてしまう人がいます。読んでいる間にその内容を覚えていなければならず、長くなればなるほど誤解が生まれやすくなります。理想としては、1文50文字程度です。

――著書『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』で紹介されていた、仕事が速い人がメールで気をつけているポイントを教えてください

メールを送ることが単なる作業になりがちですが、例えば営業の人なら「アポを取る」など目的があります。そういった「そのメールの目的は何なのか」を考えて書くことが大事です。また、仕事が速い人は、相手のことを考えて、誰が見てもわかりやすいビジュアルを意識しています。さらに、レベルの高いメールでは、相手に刺さる言葉を選んで書いています。相手が聞きたそうな情報を入れてあげることで、返信をもらえるように心掛けてみましょう。

また、メールを書くのが速い人は、どうやったら効率がよくなるのかを常に考えています。例えば、アポを取るメールを書く際は、これまでに、「これはちゃんと相手から返信をもらえた」と自信の持てるメールをテンプレート化して、内容を考える時間を削減しています。よく使う単語の文字登録をして、いかにキータッチの回数を1回でも減らせるかといったことも常に考えています。メールを書くのがうまい人は打ち直さない。書く前から結論と構成が決まっていて、詳細を伝えて、1回見直して終わるというイメージです。