「上司や取引先に何かを依頼したい」「メールの返事がまだ来ていないことを伝えたい」等、相手に頼みにくいときこそ、失礼のない言葉遣いで伝えたいところ。今回は、上司や取引先に対して仕事で依頼・催促するときの言い回しについて、敬語コミュニケーション講師を務める山岸弘子さんにご解説いただいた。

上司や取引先に依頼・催促するとき、上手に伝えるには?

上司や取引先に依頼するときの言い回し

「クッション言葉+~していただけますでしょうか」という表現にするのが、ビジネス敬語の定型となっています。クッション言葉は場面に合わせて使いましょう。

依頼する場面では「お手数をおかけいたしますが」+「~していただけますでしょうか」がよく使われます。より丁寧に言う場合は「~していただけませんでしょうか」が使われています。

このほか、複雑でこみいったことを頼むときは「ご面倒をおかけいたしますが」、迷惑をかけてしまうときは「ご迷惑をおかけいたしますが」としましょう。

上司や取引先に催促する言い回し

例えば、メールの返信をもらいたい場合で考えてみましょう。
×「●時までにお返事をください」
この「●時までに」という言い方は押し付けがましい印象を与えるので、「誠に勝手なお願いで恐縮でございますが」といった何か1つクッション言葉をつけると良いと思います。

○「~していただければ幸いでございます」
とても丁寧で好感を与える言い方だと思います。また、「お手数をおかけいたしますが~していただけますでしょうか」と言い換えてもいいでしょう。

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監修プロフィール:山岸弘子
敬語コミュニケーション講師
NHK学園で講師を務め、NHK「視点論点」にて敬語の解説を担当。
国内最大手航空会社社内教育、教師研修などに携わる。
著書に『あたりまえだけどなかなかできない敬語のルール』『臨床現場で求められるコミュニケーションのヒント』などがある。