早稲田システムは3月31日、描かれた場所を訪ねながら浮世絵を楽しむことができる無料アプリ 「浮世絵で歩く日本の名所」サービスの提供を開始した。

「浮世絵で歩く日本の名所」のサービスを提供開始

同サービスは、風景が描かれた浮世絵を、おおよその場所を特定する情報から地図へとプロットすることで、"街を歩きながら浮世絵に親しむ"という楽しみ方を実現するスマートフォン用無料アプリ。

浮世絵マップは「現在地から」「日本全体から」「都道府県から」という3つのスタイルで開くことができる。地図上のピンをタップすると、その場所を描いた、またはゆかりのある浮世絵作品が表示される仕組み。

その場所の江戸時代の空気感を確認し、現在の風景と見比べながら変わった点・変わらない点を味わい、その場所の写真や動画をスマホで撮影するといった「新しい浮世絵の楽しみ方」を提供するという。作品の「聖地」を歩く際のナビ代わりにしたり、地元など特定地域を描いた浮世絵を一覧表で調べたりすることも可能となる。

地図上のピンをタップすると、その場所を描いた浮世絵を表示

紹介される作品情報には美術館の所蔵作品データを活用しているため、すべてが「ミュージアムのオフィシャル情報」となる。また、中には学芸員による作品解説が添えられているものもあり、作品世界をより深く味わうことも可能。

スタート当初から250もの浮世絵作品を掲載しているが、今後も「自然に」増えていく見込みとなる。これは、全国で続々と導入中のミュージアム収蔵品データベースシステム<I.B.MUSEUM SaaS>との連携によって実現した仕組みで、各館が登録済みの作品データを簡単に配信できる。同社では、将来的には同アプリを「浮世絵の無料データベース」へと育てていきたいという。

さらに、一部の作品は英文にも対応しており、訪日外国人に浮世絵の世界を案内するなどの活用も可能。各作品のページには、情報提供者である美術館の概略や館の公式サイトへのリンクも表示され、その時点で開催中の展覧会など、さまざまな情報にアクセスできる。

他にも、作品のタイトルなど任意のキーワードから検索することもできる。検索結果のリストから地図へと表示を切り替えることもできるので、「お気に入りの浮世絵の舞台はどこか」という「逆引き」も可能となっている。

App Store/Google Playにて、無料でダウンロードできる

今回のリリース時点で配信しているのは、中山道広重美術館(岐阜県恵那市)が所蔵する作品が中心。同館は、世界でも希少とされる貴重な作品「雨の中津川」を含む《木曽海道六拾九次之内》をはじめ、歌川広重の浮世絵版画を中心に約1,400点という充実したコレクションで知られている。同アプリでは、《木曽海道六拾九次之内》《東海道五十三次之内》《名所江戸百景》などから245点が配信されている。追加作品や新規情報提供館などに関する情報は、アプリのWebページやFacebookなどで随時告知していくという。