そろそろ学生時代の体型を取り戻したい。そう思う人にとってスポーツバイク、とりわけMTBは良きパートナーだ。走破性の高いワイルドなタイヤとサスペンションがあるので、快適に一日を過ごせる。気の向くまま、街中から森の中のシングルトラックまで、静かに自分のペースで楽しめる。
MTBのジャンル
ひとくちにMTBと言っても、用途に応じて大きく4つのジャンルに分かれる。ここで間違うと高い授業料になるので、自分の目的に応じたバイクがどのジャンルなのか確認しておこう。
クロスカントリー(XC)
オリンピックのXC競技を頂点とする、軽さと効率を突き詰めたモデル。サスペンションのストローク量を抑え、長い登りや平坦をテンポ良く走り続ける。
ダウンヒル(DH)
急斜面・岩・ジャンプを豪快に攻めるエクストリーム系。登ることは考えず、「いかに速く下るか」に特化し、高価なモデルが主流。
エンデューロ
XCとDHの魅力を両立させ、ペダルで山を登った後、極上の下りを全力で楽しむオールマイティなフルサスバイク。
トレイル
山道を自由に楽しむ、MTBの王道スタイル。エントリーモデルはハードテイルで景色や路面変化を味わって走るオールラウンダー。
トレイルバイクでスタートしよう
用途に合うバイクを買うのが基本だが、初めてのMTB、しかもレースに興味がないならば、おすすめはトレイルバイクだ。
XCとエンデューロバイクの中間的という立ち位置は、MTBライドの中心的なエリアを広くカバーしているということ。XCよりも少し長めのストローク量のサスペンションが凹凸に沿って動き、森のトレイルはもちろん、MTBパークのようなテクニカルに見えるコースでも安定感のあるライドが可能だ。
上級モデルは前後輪共にサスペンション機構のあるフルサスとなるが、まずは前輪のみのハードテイルで十分。いや、十分どころか、これから始める人にこそハードテイルバイクがベストチョイスだ。
というのも、MTBライドの醍醐味は走りながら自然と対話できること。フルサスバイクは安定感も限界性能も高いが、ともすれば実力以上のスピードが出てしまう。ハードテイルバイクはコースの凹凸を感じやすく、ヒザやヒジで振動を吸収させ、前後に荷重を移動するといった基本動作を身につけるには最適である。
そこで、初心者向けにオススメの3モデルを選んでみた。
Cannondale Trail7.1
これからトレイルライドを始めるエントリーライダーのための1台。軽量で耐久性に優れた「SmartForm C3アルミフレーム」は、後輪を支えるバックステーが適度にしなり、振動を緩衝する「SAVEマイクロサスペンション」を搭載。リアサスがなくても快適性を損なわず、下りでの安定感を狙ったジオメトリーを採用し、安心感のあるハンドリングを実現している。
ドライブトレインはメンテナンス性に優れ、操作がシンプルな1x8スピード。フロントギヤを1枚にすることで、変速操作に迷いが生じない。ブレーキは軽いレバー操作で強力な制動力を発揮する油圧ディスクブレーキを搭載している。
ライダーの体格に合わせて最適なホイールサイズを選択する「Right-sized wheels」によって、XSとSMサイズには27.5インチ、MDからXLサイズには29インチのホイールが採用されている。将来的な拡張性としてドロッパーシートポストの取り付けにも対応している。
KONA Fire Mountain
玄人たちからも評価の高いKONA。Fire Mountainは「操る楽しさ」を初心者にも扱いやすくパッケージング。ライダーの体格に合わせてホイールサイズを細かく設定し、XSサイズには26インチ、Sサイズには27.5インチ、そしてM・Lサイズには走破性に優れた29インチと走行性能にこだわるKONAらしい仕様だ。
フレームは軽量性と耐久性に優れる6000系アルミを使い、ヘッドチューブの下部を太くしたテーパーヘッドチューブに。荒れた路面での安定したハンドリングと正確なコントロール性を実現している。
足回りには100mmトラベルのサスペンションフォークと、路面を確実に捉えるワイドなブロックタイヤを装備。ブレーキは手軽に輪行も楽しめ、メンテナンス性に優れる機械式ディスクブレーキを搭載している。
GIANT Talon1
上級モデル譲りの規格を採用したGIANTの意欲作。大口径でハンドリングの乱れを防ぐ1.5インチのテーパーヘッドチューブ、ホイールとフレームの一体感を高めるスルーアクスル、ユニバーサル・ディレイラーハンガーなど、上級モデルと同じ設計思想のもとに開発されている。独自開発したアルミを採用したALUXXフレームは、従来比30%の高い剛性を誇るという。
駆動系は10速のシマノの新世代コンポ「CUES」搭載し、リアディレイラーはチェーンの暴れを抑えるクラッチ機構が付いている。また、ブレーキはテクトロ製だが前輪のローター径を180㎜、後輪を160㎜とし制動感に優れる。フレームサイズに合わせてホイール径を最適化しつつ、サスペンションのストローク量も変更。サドル高を簡単に調整できるドロッパーシートポストを標準化するなど、コストパフォーマンスの高い1台だ。
買うのはプロショップ
MTBはなにを買うかと同じくらい、誰から買うかが重要だ。ショップとの付き合いは買うまでよりも、買ってからの方が長い。MTBは包丁や刃物と似た一面を持っている。ともに使えば必ず傷むが、刃先を研げば新品以上に使いやすくもなる。MTBもサスペンションの調整などメンテナンス次第で新品以上に性能が良くなる。
走り方やコースの場所、タイヤやプロテクターの選び方など専門店で教えてもらえることも多い。自分でメンテナンスをする人もいるが、それは経験豊富な人たちの話。命を預けるものなので、ミスがあれば大きなケガにつながる。整備やセッティングの良し悪しでコースやバイクの印象も大きく変わってしまうので、まずは専門店へ行ってみよう。



