アイドルグループ・Kis-My-Ft2が出演するバラエティ番組『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系 毎週月曜23:00~)。アイドルグループの冠番組でありながら、「ブサイク」の名を入れた点や、メンバーたちが考えた"胸キュン"シチュエーションを毎回100名の女性がジャッジしランキング化した点など、斬新な番組作りで話題に。2012年8月に特別番組として第1回が放送されて以降、レギュラー番組化され愛され続けている。

ワンテーマの番組でありながら5年もの間視聴者を飽きさせないのはなぜなのか。また、多忙なアイドルたちが自らアイディアを持ち寄りVTRを作成、さらに毎回100名の女性の採点が入るなど、かなり特徴的な同番組についてフジテレビジョン 河本晃典プロデューサーに話を聞き、2週にわたって紹介する。今回は番組づくりで心がけている点にフォーカスし、次回はKis-My-Ft2がバラエティ番組で見せる強さについてプロデューサー目線での話を伺う。

■河本晃典
フジテレビジョン 制作局 プロデューサー。担当番組は『FNS歌謡祭』『キスマイBUSAIKU!?』『Love music』『MUSIC FAIR』『深夜喫茶スジガネーゼ』など

スタート時から熱があった

――『キスマイBUSAIKU!?』にはずっと関わられているんですか?

初期メンバーからになります。僕は実は音楽がメインで、現在『FNS歌謡祭』や『Love music』、『MUSIC FAIR』といった番組を担当しています。『キスマイBUSAIKU!?』が始まった当初は、『笑っていいとも!』をやっていました。バラエティど真ん中の分野ではないで、タイトル含めて攻めた企画をよくやらせてもらったな、と思います(笑)。

――衝撃的な内容で、放送当初からかなり反響もあったのではないかと思います。

当時はまだ、Kis-My-Ft2というグループの7人のキャラが全然わからず、かなり「ふわっ」としていた印象でしたよね。インターネットで言われるようなブサイクの印象を逆手にとって、メンバーが個性を出して具現化できたところが、好評につながったのかなと思います。

――番組がスタートして5年が経ちますが、愛されている理由はなんだと思いますか?

やっぱり、単純に面白い。僕も、それぞれのVTRを見たときに視聴者のように笑ってしまいますから。本人たちがかっこいいと思ってることと、女性たちの目線とのズレを見ていると、「よくできてるなあ」と思います。宮田(俊哉)くんがかっこいいと思って傘を投げて彼女の元に駆け寄ったのが「昭和か」とつっこまれたり、二階堂(高嗣)くんのスケート場で初対面の女性に声をかける時にスケートでドンっと迫ったり、初期から今までずっと面白かったですよね。

でも、あまり先々まで続くことを考えてなかったことが、逆に良かったのかもしれませんね。表立って言うわけではありませんが、ディレクター陣に、まずはどうにか彼らの色を7人7種出そう、という熱意がありました。基本的に料理するのはディレクターで、プロデューサーはキャスティング&サポートだと思っているので、その熱は良かったと思います。

――これだけワンテーマで進めるというのも、すごいところだと思います。

ただマンネリ化しないようにというのは、心がけています。恋愛のキュン系の企画は面白いんですけど、How to 企画(駐車場の車庫入れ、料理など)や水着企画など、笑いではなく情報があるものの方が良い結果だったりもするものです。でもやはり、ゲラゲラ笑って楽しめるのは"キュンもの"ですから。

最近だと、「彼女を家に送ってお父さんに突然会う」といったシチュエーションは7人の人間性が出て、すごく面白かったですよね。本当に器の大きさが出るんだなと思いました(笑)。