お笑い芸人・ピースの又吉直樹による小説『火花』が映画化されることが14日、わかった。

左から菅田将暉、桐谷健太、木村文乃

同作は又吉の芥川賞受賞作で、単行本の部数は253万部を突破。2016年からNetflixでドラマ化され、26日からはNHKで連続ドラマとしても放映される。芽の出ないお笑い芸人・スパークスの徳永は、先輩芸人・あほんだらの神谷に魅了され、「弟子にしてください」と申し出る。菅田将暉が徳永、桐谷健太が神谷、木村文乃が神谷の恋人でヒロインの真樹を演じる。

監督は又吉の大先輩でもある芸人・130Rの板尾創路が務める。2010年に初監督作品『板尾創路の脱獄王』で数々の賞を受賞し、才能を高く評価されている板尾は、今回のオファーを快諾。「語りを画にして登場人物の思いを観客に届けるのが私の今回の一番の仕事だと思い半年かけて脚本を作りました」と振り返り、「最終的に”スパークス”と”あほんだら”という二組の漫才コンビを誕生させ、M1グランプリに出場させたいです」と野望を見せた。

後輩芸人・徳永を演じる菅田は「お笑いがなかったら、今の僕は存在していないと思います」と、熱い思いを語る。「そんな自分にとって神様であり日常である芸人さんを演じるという事に物凄く怖さがあります」と葛藤を表しながらも、「板尾さんと出会ってなんかもうどうでも良くなりました」とふっ切り、「ただ好きなものに邁進して良いと言う許可が下りたので、この度マイクスタンド一本のステージに立たせて頂きます」と決意を述べた。

桐谷は「人に笑ってもらえる最上の喜びと、この上ない困難さ。それを生業とする芸人さんは狂気の沙汰。怪物です」と芸人について語る。同作を「そんな世界に生きようとする、愛おしい男たちの物語」と分析し、「役者が芸人を演じるのではなく、芸人を生きます。あーコワ」と、恐ろしさと楽しさをにじませた。

原作の又吉は、作品について「舞台に立ったすべての芸人、それを支えてくださった多くの人達が大切に共有していた風景を、たまたま僕が書かせて貰っただけ」と説明する。「その風景を子供の頃から尊敬している板尾さんに預かっていただけることが嬉くてなりません」と喜びを表し、「ドキドキしてきました。よろしくお願いいたします」と期待を寄せた。

脚本は板尾と、映画監督・豊田利晃が共同でつくりあげる。また、徳永の相方・山下役に川谷修士(2丁拳銃)、神谷の相方・大林役に三浦誠己が決定している。