経済成長フォーラム(事務局:日本生産性本部)はこのほど、「第10回 企業経営者緊急アンケート調査」の結果を発表した。調査期間は2016年10月31日~11月14日、対象は上場企業及び日本生産性本部会員企業の経営者で、有効回答は194人。

世界経済の鈍化、9割近くの経営者が「懸念している」

経営者に世界経済の鈍化に対する懸念を尋ねると、「少し懸念している」が49.5%、「非常に懸念している」が38.0%で、合わせて9割近い87.5%が「懸念している」と回答した。

世界経済の鈍化に対する懸念

同フォーラム事務局(日本生産性本部)は「米大統領選や英国のブレグジット、韓国の朴槿恵大統領弾劾訴追など、世界で大きな出来事があったことに加え、実際に世界経済の成長率が落ちていることもあり、『懸念している』に回答が集まったのではないか」と分析している。

政府目標である今後5年間程度の経済成長率について、「実質2%以上」は可能と考える割合は23.6%、「名目3%以上」は21.8%で、共に過去最高を更新した。

デフレ脱却の実感を聞くと、51.8%が「脱却していない」と回答。マイナス金利政策については、国内設備投資の「誘因にならない」と答えた割合が66.1%に上ったほか、「なるべく早く終了すべき」も69.8%と前回(2016年4月)の54.7%から大幅に増えた。

成長戦略で評価が高かった改革トップ3は、「電力自由化」(88.2%)、「農業改革」(82.1%)、「TPP大筋合意」(81.4%)だった。

働き方改革で「賛成」の割合が高かったのは、「子育てや介護と仕事の両立の支援」(98.4%)、「女性や若者が働きやすい職場づくり」(97.9%)など。一方、「同一労働同一賃金」に賛成した人は57.8%にとどまった。

自社の成長目標を達成する見通しについては、50.8%が半年前と「変わらない」と回答。他方、「良くなっている」は前回比7.3ポイント減の12.8%と過去最低を記録した。