JR東海は、新幹線車両の全般検査を実施している浜松工場のリニューアル工事がおおむね完了し、2017年1月5日から新たな検修ラインで全般検査(36カ月または120万km走行以内に実施する定期検査)を開始すると発表した。

浜松工場に導入される先頭車研ぎロボット(JR東海提供)

今回のリニューアル工事はおもに建物の耐震化と効率的な検修ラインの構築を目的に実施された。大地震で検査機能が損われ、新幹線が長期運休するといった事態を避けるため、全体の約7割の建物を建て替えた。残る既存の建物についても、2018年夏頃までに補強を行い、耐震性を向上させる。建替えに際し、建物の配置を見直し、これまで複雑な動きをしていた車体や部品の検修ラインをシンプルな流れに改善。これにより、全般検査の日数を現在の15日から1日短縮できるという。

浜松工場では、リニューアルと同時にこれまで人力で行っていた作業を機械化することで、より安全な作業環境も実現した。とくに車両先頭部の研ぎ作業に関して、新幹線初となるロボットを導入している。これまで手作業で計測していた台車部品の寸法測定の一部を機械による自動測定に変更し、部品に対する検査精度もさらに向上。車体塗装にも日本で初めての水性塗装ロボットを導入する。