JR西日本はこのほど、駅ホームの安全性を向上させるために遠隔セキュリティカメラの設置駅を増やし、2017年春をめどに現在の倍にあたる6駅で運用を開始すると発表した。あわせてホーム柵と内方線付き点状ブロックの設置もさらに進める方針としている。

JR西日本は遠隔セキュリティカメラの設置駅の増大、ホーム柵・内方線付き点状ブロックの設置拡大など、駅ホームの安全に向けた取組みを進めていく(写真はイメージ)

遠隔セキュリティカメラは、ホームで大きく蛇行しながら歩く人や、ベンチなどで長時間座り込んだままの人、不審物の置き去りなどを防犯カメラの映像から画像解析装置で自動的に検知し、センターの係員に警報で通知するシステム。係員は画像を確認し、危険性があると判断した場合はその駅に連絡して現場対応を行うように手配する。

現在、このカメラは大阪環状線京橋駅・新今宮駅に導入されており、12月2日からは三ノ宮駅でも運用を開始する予定。これまでの運用で問題なく機能し、事故防止に効果があると判断できたことから、来春をめどに西明石駅(在来線)、天王寺駅、鶴橋駅にも新たに導入されることになった。今後も京阪神エリアの乗降人員の多い駅や転落事象が多く発生するホームを中心に順次導入を進める。

ホーム柵と内方線付き点状ブロックの設置推進もホームの安全性向上策の一環。目の不自由な人がホームから転落する事故が相次いだことを受け、京都駅・新大阪駅など乗降客10万人以上の14駅と、転落事故や列車との接触事故が多い西明石駅の計15駅でホーム柵の整備を優先的に進める。このうち、大阪駅(6番・7番のりば)と京橋駅(2番のりば)は2017年春から可動式ホーム柵の運用を開始する予定。京都駅と三ノ宮駅では、六甲道駅・高槻駅で運用している昇降式ホーム柵の導入を検討しているという。

ホームの端に敷き、目の見えない人にも凹凸で落下注意を促す内方線付き点状ブロックは、全1,197駅のうち4割の474駅に導入済み。これまで乗降1万人以上の駅は2020年度末までに整備を完了する計画で進めていたが、これを前倒しして2017年度末までの整備完了をめざすこととした。整備対象となる192駅のうち、今年度末までには半分の96駅への整備が完了するという。

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