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妊娠したいと思った時、夫婦で考えなくてはならないことがたくさんあります。実際、具体的にはどういったことを話し合うと良いのでしょうか? 今回はEn女医会の産婦人科専門医・船曳美也子先生にお聞きしました。

まず、気持ちの度合いのすりあわせを

ーー夫婦でまず話し合ったほうが良いことはどんなことでしょうか
「どの程度ほしいか」をきちんと話すべきですね。「いたらいいけど、いなくてもいいかな」なのか、「なるべくほしいけど、自然な形がいい」「いずれは持ちたい」「どうしてもほしい!」「今すぐほしい!!」など、そのほしさの度合いがそれぞれ違いますから。

ーー臨床の場ではどんな印象がありますか?
女性の患者さんとお話しするので、その向こう側にいるパートナーと意見は一致していますかと確認します。一般的に、女性のほうが妊活に積極的な印象はありますね。やはり女性は年齢の影響を受けやすいからだと思います。

ーーすりあわせができない場合の問題点は?
勇気を出してここで話しておかないと、女性の場合はタイムリミットがきてしまう場合があります。お互いの気持ちをちゃんと言葉に出して確認しておかないと、あとになって後悔することもあるかもしれません。もちろん、お互いの意向は時間とともに変わるかもしれないですが、無理をするとパートナーとの関係にも亀裂が入る可能性もあるので、慎重に進めたほうがいいときもあるでしょうね。

妊活は、41歳くらいでも間に合う

ーー妊娠したいのかどうかのすりあわせができたら、妊活はそれぞれいつ始めればよいのでしょうか
昨年発表された海外の報告によると、「子どもは1人でよくて、いてもいいけど、いなくてもそれはそれで大丈夫」というお考えでしたら、妊活は41歳くらいでも間に合います。

「もしできたらほしい」なら37歳、「強く望む」し、かつ「自然妊娠したい」という場合は、32歳くらいにはスタートしたほうがよいでしょう。「どうしても2人以上の子どもがほしくて、体外受精はしない」と決めているなら、27歳には始めたいところです。

パートナーとの関係を精神的にも見直そう

ーー妊活を始めた後にはどんな問題がありますか?
希望と現実をすりあわせる必要も出てきますね。これからどんな仕事をしていくのか、収入の変動、ご両親の近くに住んで助けを求められるのかなど。子どもを作るかどうかは、どんな暮らし方をするかという人生設計の問題になります。

ーー現実面だけでなく、精神的にもパートナーとの関係を見直す必要がありますね
そうですね。お互いに話し合いは済んでいて、年齢のことや希望の人数などによって計画を始めたとしても、男性はこの日にタイミングを持ちなさいと言われると、それ自体がストレスになってしまいます。自然な形で性交渉に導けるような関係性を、普段から持ち続けていられるのが一番ですね。

ーー子ども計画は、暮らし方の計画でもある。どんな暮らし方をしていくのか、パートナーとの話し合いからすべてが始まるのですね。ありがとうございました!

■プロフィール
船曳美也子

1983年 神戸大学文学部心理学科卒業、1991年 兵庫医科大学卒業。産婦人科専門医、認定産業医。肥満医学会会員。医療法人オーク会勤務。不妊治療を中心に現場で多くの女性の悩みに耳を傾け、肥満による不妊と出産のリスク回避のために考案したオーク式ダイエットは一般的なダイエット法としても人気を高める。自らも2度目の結婚で43歳で妊娠、出産という経験を持つ。En女医会にも所属している。