名古屋のご当地グルメ、いわゆる名古屋メシには麺類が多い。きしめん、みそ煮込みうどん、あんかけスパゲティなど、名古屋メシの中心勢力"名古屋メン"の数々が、地元っ子たちの嗜好とおなかを満たしているのだ。

そんな中、まだ名古屋以外では知られておらず、地元の人もご当地限定とはほとんど気づいていない"隠れ名古屋メン"が実はいくつもある。その代表的な1品が「えびおろし」(天おろしとも言う)だ。冷たい麺に大ぶりのえび天を豪快に盛り付け、大根おろしをたっぷりのせる。多くの店ではお好みで、うどん、きしめん、そばという麺の種類を選ぶことができる。

名古屋市内であれば大概のうどん屋で食べることができる夏の風物詩的メニュー。今回はオススメの3店舗を紹介しよう。

元祖の味をおさえるならココ! 「えびすや 大治店」

「えびおろし(竹)」(1,150円)。穴子天バージョンもありこちらもオススメ

えびおろしはいつの間にか名古屋で生まれ、広まったと思われているが、実は確かな生みの親が存在する。「えびすや 大治店」の橋爪淳さんだ。「えびすや」は本店のほかに、あわせて7つののれん分け店を名古屋および近郊に構える。

橋爪さんは昭和43年(1968)に独立したが、「えびすや 本店」(名古屋市中区)で修行していた当時、まかないに出していた大根おろしをのせたうどんから着想を得たそうだ。「目玉として売り出したざるうどんに、お客さんのリクエストでえび天をのせました。さらにまかないのように、大根おろしをのせたらおいしいのではと思ったのです」。

サクサクのえび天とコシのある麺、そしてさっぱりした大根おろしを甘めのつゆが1つにまとめている。また、のりとかつおぶしが香ばしくレモンがさらなる清涼感を演出。ボリュームがありながらも爽快に食べられ、夏バテ防止にも効果的だ。

名古屋市瑞穂区で開業し、現在は名古屋市の隣・大治町(おおはるちょう)で営業。名古屋駅から車で10分ほど

●information
えびすや 大治店
愛知県海部郡大治町長牧前田3
営業時間: 11時~14時半、17時~21時
定休日: 木曜日
アクセス: 名鉄・甚目寺駅より徒歩20分