鮮度をもってお芝居をやりたい

――今回映画を拝見して、これからも女優として活躍されそうだなと思ったのですが、演技の勉強や参考にしたものはありますか?

あまり特別なことはしていません。藤ヶ谷さんや窪田さんとお芝居をしていると、セリフをしゃべっている感覚じゃなくなってくるというか。合わせようと思ってやっていました。

――モデル時代に培ったものが役に立ったりすることは。

どうなんでしょう。でも、「モデルが芝居をやってる」と言われないように、早く頑張らなきゃ、とは思っていました。

――「プレッシャーをはねかえしたい」といった思いがあったのでしょうか?

そうですね。私は群を抜いて武器になるものがないので、鮮度をもってお芝居をやりたいなと思っています。いろんな役をその人物として生きているかのように演じられる、戸田恵梨香さんのような女優さんになりたいと思うから、ここでがんばらなきゃ、とは常に思っています。

涙のシーンも、きれいに涙を流そうとするのではなく、その役として生きて、作品の一部になれたらいい。もちろん最終的には、評価されたものがすべてなんですけど、演技するときはそういうことを考えずに、ゼロからつくれることがすごく楽しいです。作品の一部になれることが嬉しいので、毎回噛み締めながら、そのときどきの人物に命をかけようと思っています。今回は、感情があらわになっているところの生々しさが、見ている女の子に伝わってくれたら嬉しいですね。

――たとえばモデル仲間の方や、先輩の女優さんに刺激を受けることはありますか?

『セブンティーン』のモデル仲間は、女優として活躍している子も多いので、自分も前に進まなければ、と思います。女優さんの先輩では、以前長澤まさみさんに、演技の悩みを相談したら「壁にぶちあたったりするけど、いつかぜったいできるようになるから大丈夫だよ」って言われて気持ちが楽になりました。

まだカラカラのスポンジなので、どんどん吸収できたらいいなと思いますし、その点で言ったら『MARS』は本当に大きくて。こんなに現場にいたのも初めてだったので、これからもたくさんの作品に携われたらいいなと思います。

――今後やってみたい役はありますか?

牧生くんのようなダークな役をやりたいです! たとえばバトルロワイヤルみたいな、戦う女子高生とか(笑)。

■作品情報
『MARS(マース)~ただ、君を愛してる~』
海で奇跡的に出会逢った零(藤ヶ谷太輔)とキラ(飯豊まりえ)。過去に心の傷を抱えながら孤独に生きてきた2人は惹かれあい、恋に落ちる。そこに、零の死んだ弟・聖の親友、牧生(窪田正孝)が現れる。零とキラのよき理解者であるように見えた牧生は、実は零の持つ秘めた一面「怒りに火がつくと抑えられない激しい凶暴性」に強い憧れを抱いていた。6月18日公開。