30代で気をつけたいことは?
次に、30代におすすめのポートフォリオを見ていきましょう。30代も、商品の配分に対する考え方は20代と大きく変わらず、攻めの姿勢で積極的な運用を行うことができる世代です。ただし、30代は結婚や出産、マイホームの購入など、生活に大きな変化が起こる時期でもあります。手元に現金が必要になる場合、掛け金を減額することで調整しましょう。それと同時に、20代のときのポートフォリオより株式の比率を下げ、その分債券の保有比率を上げるなどして対応するのもおすすめです。ライフイベントにかかるお金を踏まえつつ、無理のない範囲で確定拠出年金の掛け金をやりくりすることがポイントです。
40代は「バランス型ファンド」
最後に、40代におすすめの確定拠出年金のポートフォリオを紹介しましょう。40代は子供の教育費がかさみ、住宅を購入している場合はローンの支払いが重くのしかかる時期。出費の多い世代だからこそ、国内債券や預貯金あるいは公社債投信などで安定的に運用し、ライフイベントに備えておくことが大切です。その上で、攻めとまもりのバランスを取り、元本確保型の商品とリスク性商品をうまく組み合わせましょう。
おすすめは、「バランス型ファンド」での運用。「バランス型ファンド」は、投資信託の国内株式型、海外株式型、国内債券型、海外債券型の4種類であれば25%ずつ、国内不動産型、海外不動産型を加えて6種類であれば16.7%ずつを均等に配分してくれている商品になります。異なるリスクや期待リターンの商品に自動でいい配分にしてくれるので、自分で悩んで商品を選ぶ必要がありません。1本購入しておけば、広く分散投資でき、値動きも比較的安定します。「バランス型ファンド」のデメリットとして、一般的な投資信託より手数料が少し高い点が挙げられますが、それを踏まえても十分有益な商品と言えるでしょう。
以上、確定拠出年金の世代別ポートフォリオを紹介してきました。ここで1つ注意しておきたいのは、ポートフォリオを組む上では、世代ごとの年齢的リスク許容度だけでなく、収入や保有している資産、個人の心理的リスク許容度なども加味する必要があるということです。今回の世代別ポートフォリオを参考した上で、自身に最適な商品の配分を見つけ、確定拠出年金のメリットを最大限生かしていきましょう。
筆者プロフィール:武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。