多くの人が抱える「老後資金」の問題。最近では、少子高齢化に伴い、公的年金への不安が若い人の間にも広がっています。そのような背景を受けて、老後のお金を準備する手立てとして注目されているのが「確定拠出年金」です。近ごろよく耳にするこの制度ですが、一体どのような内容なのでしょうか。

確定拠出年金って、どんなメリットがあるの?

確定拠出年金とは?

確定拠出年金とは、加入者自身が商品を選択して運用し、老後資金を準備する制度のこと。「企業型」と「個人型」の2種類があり、それぞれ加入対象者や条件が異なります。確定拠出年金の大きな特徴は、退職金制度や確定給付年金とは違い、選んだ商品の運用成績次第で将来受け取れる金額が変わる点。他の商品に比べて節税効果が非常に優れており、長期の資産形成には最適です。

確定拠出年金は、自分で商品を運用するので敷居の高さを感じる人も多いようですが、しっかりとポイントを押さえて活用すれば、大きなメリットを得られる商品となっています。特に、長期の運用になるため、世代ごとにポートフォリオ(商品の組み合わせ)を柔軟に組み替えたり、ライフイベントに合わせて掛け金を増減したりすることも大切なポイントになります。次に、20代~40代が確定拠出年金を運用する上で、どのような点に気を付けてポートフォリオを組んでいけばいいのかを解説していきましょう。

20代のおすすめは?

老後まで長い時間のある20代。年齢的なリスクの許容度は高く、リスクを取って大きなリターンを期待することもできる世代です。運用期間中、大きな値下がりに見舞われるかもしれませんが、回復させるだけのチャンスはたくさんあります。例えば、国内外の株式型投資信託を中心にした配分にするのもいいでしょう。20代におすすめのポートフォリオの一例を挙げてみます。

・国内株式型 30%
・先進国株式型 30%
・国内REIT型 20%
・新興国債券型 20%

すべて元本保証のないリスク性商品で構成しています。ちなみに、一般的にリスクや期待リターンは債券より不動産、不動産より株式、そして国内より海外の方が大きくなる傾向にあります。現在、確定拠出年金加入者の運用商品の選択は、約6割が保険などの元本確保型商品で占めていますが、これでは大きなリターンを期待できるとは言いにくい状況です。20代は、長期の運用期間という武器を最大限生かすためにも、是非これらの商品を積極的に取り入れていきましょう。一方、確定拠出年金内でリスク性商品を運用するなら、預貯金で現金を用意しておくなどして、資産全体で投資のリスクを抑える工夫も必要になります。