楽天証券がこのほど開催したセミナー「親子で学ぶ投資教室」では東京取引証券所の見学のほか、株に関する講座「中高生のためのお金の授業」も実施された。授業を担当したのは、楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリストの土信田雅之氏。彼自身も学生時代に株を始め、160万円ほど留学資金を蓄えたという。今回は授業の模様をレポートしていく。
投資の考え方は、消費と共通する?
そもそも投資とは、どのように考えればいいのだろうか。土信田氏によれば、普段の買い物で意識していることが投資の考え方にも役立つのだという。例えば、買い物でお金を使う際、価格(プライス)と価値(バリュー)を比較しながら商品を選ぶ。価値を見極めることと、それに見合う価格はいくらなのかを判断していくことが、消費と投資の共通する判断基準となるそうだ。
価格と価値を比較して、払った価格よりも価値が高ければ、割安。払った価格よりも価値が低ければ、割高。お金に見合う価値が得られた場合は、妥当という視点で考える。払ったお金より満足度が高ければ「消費」、払ったお金より満足度が低ければ「浪費」と判断する。
一方、株式投資の場合は、株価を見ながら投資をする。そのため、払った「価格」を基準として価格と価値を比較する。それに対して価値が、割安か割高か妥当かを判断する。
消費や浪費がお金を「減らす」ものであれば、投資は「増やす」、あるいは既に投資商品を持っている人にとっては「守る」という考え方に値する。投資の方法は、株を買うことだけに限らない。預金する、金を買う、百貨店『友の会』に入会する、馬主になる、不動産を買う、資格を取る、非売品を入手することなどがある。
投資をする際の判断指標は「リターン」(稼げる見込みがあるのか)、「リスク」(不都合が生じる可能性)、「コスト」(手間や余計な支払いは生じないのか)の3点となる。
株って何?
この投資の1つが株式投資。そもそも株とは、企業が事業資金を調達するために発行しているものだ。「株を買う」ということは、株を発行している企業に出資を行い、事業資金を提供していることを意味する。
さらに、買った株は第三者に転売することができる。株を転売した場合は、株主としての権利等は新しいオーナー(株主)に移ることになる(原則として、上場銘柄は誰でも売買が可能となっている)。株は、株主取引所で取り引きされており、証券会社では証券取引所と株を買いたい人・売りたい人との取り次ぎが行われている。