また、普通の保険との大きな違いは、保障内容も保険金額も自分では決められないということ。カード付帯保険の場合は両方とも、カード会社および一般カードやゴールドカードなどのステータスカードの種類によって決められているのです。

例えば医療費が法外に高いといわれる国に行く場合、普通の保険なら安心のために「治療・救援費用」の保険金額を無制限として加入することも可能です。一方のカード付帯保険の場合、治療費用はハイクラスのカードで100万円~300万円、ベーシックなカードだと50万円程度というのが一般的です。

複数枚のカード保有で保険金額がアップする例も

複数枚のカードを持っている場合は、保険金額の確認が少し異なります。「死亡・高度障害保険金」は所有しているカード付帯保険の各保険金額のうち、最も高い保険金額が適用されます。その他の保険金については、各カード付帯保険の保険金額を合算し、合算額の範囲内で実損額を限度に保険金が支払われる仕組みです。

例えば2枚カードを持っており、どちらも「疾病治療費用」の保険金額が50万円という場合、「疾病治療費用」の補償限度額は100万円になります。少し安心が増えますね。

ただし、長期間の旅行に行く場合は注意が必要です。海外旅行保険の保険対象期間の原則は、普通の保険ならば出発から帰国までですね。カード付帯保険も原則としてこのルールが適用されますが、最長で90日間(カードによっては60日)という制限があり、普通の旅行保険のように旅行期間に合わせて選択することができません。仮に旅行期間が90日以上でも、91日目からは補償されないということを知っておいてください。

※写真と本文は関係ありません

筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。