妊娠・出産時に保険金が支払われるケースって?

もし出産が帝王切開になったら、その費用は50~75万円程度となり自然分娩(平均40万円)よりも高額になります。出産一時金(42万円)を超えた分は全額負担となりますが、民間の医療保険に入っていれば、保険金を受け取ることができます。

「妊娠してから考えればいい」と思っている人もいるかもしれませんが、妊娠後は保険に加入できなかったり条件つき契約になったりするのが現状です。そこで今回、妊娠前に見直しておきたい医療保険についてお話します。

27週までは加入OK

妊娠後でも27週までは医療保険に加入することができますが、それ以降は子宮部位が"不担保"となります。つまり、妊娠・出産に関しては保険の対象外になるということです。また、27週までであっても加入できないことがあったり、妊娠・出産による合併症が保障外になったりなどの条件付きになることもあります。

その他にも、不妊治療中は医療保険に入れないことが多いなど、妊娠後や妊活開始後は何かと保険加入のハードルが高くなります。そうでなくても、妊娠判明後は出産準備や体調の変化などで保険についてじっくり考える余裕がないものです。加入条件は保険会社によっても様々ですので、妊娠を考えている人は、早めに保険加入を検討するようにしましょう。

医療保険の女性疾病特約に注目

帝王切開に対しては健康保険が適用されますが、医療保険に入っていれば保険金も支払われます。保険金には、帝王切開のような出産時の手術などに対する手術給付金と入院給付金の2種類あります。支給額は契約内容によっても変わりますが、手術給付金は5~10万円程度、入院給付金は入院日額×入院日数となります。例えば、5,000円の入院日額給付金に加入していて10日間入院した場合、5,000円×10日分=5万円が手術給付金にプラスされます。

女性疾病特約に入っていればさらに支給額が増えます。保障内容を手厚くしておけばいざという時の支給額が増えますが、当然毎月の保険金も上がります。年間の医療費(通常医療、妊娠関連費用を含む)が10万円を超えるとお金が返ってくる医療費控除もあるので、家計を圧迫させるような契約はしないように気をつけましょう。

子どもに備えて学資保険も

これから生まれてくる子供の教育費に備えるなら、学資保険も検討するといいでしょう。出産前から加入でき、銀行預金よりも高い利率で子供の教育費を貯めることができます。保険の満期を子供の進学時期などに合わせれば、まとまった教育費の支払いも安心です。また、親に何かあった場合に保険料の支払いが免除される保障がついた商品もあります。

ただし、気をつけたいのは途中解約による元本割れです。学資という名の通り、子供の教育費用のための保険なので、途中解約すると返ってくる額が支払額を下回る元本割れになる可能性が高いので注意が必要です。

この他にも、「歯の治療をしておく」「胎児に影響が出る病気の予防をする」など、妊娠前に注意しておきたいことはいろいろあります。ですが、あまり神経質になりすぎないよう、周囲の先輩ママにアドバイスをしてもらいながら、妊娠・出産に備えるように心がけたいですね。

※写真はイメージで本文とは関係ありません

筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人を送るための知識を伝えている。人生の"やりたい"が"できる"に変わるお金の教養スクール開講中!