現地取材の心得

――取材をする時に守っていることは?

丸山:そうですね、僕は「時間を守る」ですかね。(会場から笑い)

――そうなると、佐藤さんはもう無理ですね(笑)。

丸山:いえいえ(笑)。相手が遅れてくるのはいいですが、僕は先に行っておくのが交渉事のルールです。場合によりますけど、なるべく早く行けるようにしています。

――佐藤さん、どうですか(笑)。

佐藤:アジアの方々はだいたいルーズですから、それでダメならダメだという感じもあって(笑)。よく飛行機に乗り遅れたりします。次の便が一週間後しかない場合は、ボーっと過ごしたこともありました。

――えーっ! それだって早めに出てればよかったじゃないですか?

佐藤:そうですね……。なんででしょうね。

丸山:佐藤さんの遅刻、ものすごく安定していますよね(笑)。

佐藤:うーん。遅刻で人に迷惑を掛けることはいけないことだと分かっているんですけど(笑)。マナーとして、相手に軽く見ていると勘違いされるから本当にやめた方がいいと、子どもの頃から父親にも言われていたんですが……。殴られた経験とかあまりないんですけど、唯一父親から殴られていたのは、朝遅れる時でした(笑)。

――良いことと思っていないのに、やっちゃうのはどういうことですか?

佐藤:最終的に僕が遅刻してきたことでそれが1つのネタにもなったりとか……。(会場から笑い)

――今日も打ち合わせもギリギリでしたし、来た途端にタバコ吸いに行ったでしょ!

丸山:番組で遅刻しているのは本当なんですか?

佐藤:本当ですね。逆に間に合っている時は放送されませんからね。

――じゃあ、放送されるためには遅刻をしていこうと?

佐藤:そういうプレッシャーもありますね(笑)。

クレイジージャーニーとしてのこれから

――これから行きたいこと、やりたいことは?

丸山:僕は危険地帯とかスラムとかそういうところがテレビで注目されていますが、もちろんそれ以外のところも行っています。もともとは考古学専攻の学者志望で、お宝探し的なこともやっていたりするので、そういうこともこれからやっていきたいですね。そろそろ皆さん、スラムとかお腹いっぱいじゃないのかなとか思っていて(笑)。人が暮らしててコミュニティが形成されていれば、それはそれで面白いところとか珍しいところもあったりするので、スラムだけじゃなくて、いろんな生活スタイルとかを探っていきたいです。

佐藤:僕は台湾のお葬式に行ったり、いろいろと幅広くやらせていただいているので、次もまた新しいところに行きたいなと。1つ思うのは、ゴンザレスさんがルーマニアのマンホールタウンとか行かれてますが、僕もいずれ行って本にしたいなと思っていました。でも、ゴンザレスさんが行ってしまったから、本に入れづらい(笑)。

――別にいいじゃないですか(笑)。2人で行くのはどうですか?

丸山:シベリアとかどうですか? あまり人が行かないような場所。

佐藤:お互い似ているんですよね。例えば、それぞれシングルルームじゃないとダメなところとか。僕もわりとそうなので、これが「ツインルームでいいや」みたいな人だとちょっと一緒に行けない(笑)。ゴンザレスさんは、そういうプライバシー優先な方だから行けます。

――ゴンザレスさんって何でもアリなわけじゃないんですか。

丸山:何でもアリじゃないといけない時はもちろんそうなりますけど、選択肢があるんだったら個室の方がいいですね(笑)。

DVD『クレイジージャーニー』 2枚組2,750円(税別)

視聴者が気になっていたこと

――お客さんの中で、お二人に聞きたいことはありますか?

(男性):先ほどお腹を壊してしまう話がありましたが、そういうところのトイレ事情は?

丸山:だいたいはボットン便所だったりするんですけど、トイレがあるところはスラムの中でも上流なんですよ。トイレがない時は基本的に外です。ケニアのミギンゴ島では、地元の人の中には湖にお尻をつけた状態でしている人もいました。

佐藤:アフリカなんかはトイレの方が汚かったりしますからね。それだったらオープントイレットの方がいいですね。

――お二人は便秘にならないんですか。

丸山:僕はないですね。下痢になる時もありますし、なるべく水分をとっています。便秘になると体調が悪くなるので、だったら下痢の方がまだいいです。太田胃散とか持っていっています。

佐藤:僕も大丈夫ですけど、ステーキとか肉を頼みがちになってしまいますね。この前、パプアニューギニアに行った時は、トイレの下に家畜がいたんですよね。その翌日にその家畜の鳥とか豚が調理されて、そういう循環をリアルに感じると……(笑)。

――なるほど、そういうトイレ事情なんですね。ほかに聞きたいことはありませんか?

(少年):今までいろいろなところに行っていろいろなものを食べたと思いますが、「もう一度食べろ」と言われたら「死んでも嫌だ」という食べ物はありますか。

佐藤:僕はあまりないですね。そういうものは食べないですから(笑)。

丸山:どうだろうなぁ……うーん……どれも、どうしてもと言われれば食べますけど、ケニアの牛の料理は100%あたると分かるから食べたくないです。腐敗臭がしてるんですよね。肉そのものが腐った状態から調理されているから、「絶対にあたる」と思いました。しかも、スープがハエまみれ。スープといっても脂が煮詰めらているだけで、特に味もないんです。脂汁に腐った肉。そもそもおいしくないので、あまり食べたくないです。

イベントのおわりに

――「今後もやっていきます!」みたいな一言を。

丸山:そうですね(笑)。僕は興味の赴くままこういう活動をしていきますが、テレビや雑誌、ウェブ、いろんな媒体で出ると思いますので、見かけたら「こういう活動をやっているんだな」と思ってくれるとうれしいです。それからこの番組には、僕とか佐藤さん以外にもいろんな人が出ているので、そういうちょっと変わった旅をやっている人がいるというのをこの先ももっと知っていって、いろいろな興味を持っていただけるといいかなと思います。

佐藤:去年の1月に話をいただいて、出演させていただきました。本当に人気も出ているみたいですね。それまでテレビ番組に出演させていただいたこともありましたが、やっぱりテレビの人ってこういうものを真に理解しているかというと理解していなくて、テレビのコンテンツとして「何となく扱われる」のが常でした。本当にこの番組に関していうと、ディレクターさん、演出の横井(雄一郎)さんはじめ、スタッフの方々、松本さんなど演者の方々も含めて、本当にこういうものに対して興味があって、自分たちのできる限りの誠意を持って伝えようとしてくれているのを、出演者である僕もすごく感じることができています。それを観ている人も感じているから、支持されているんじゃないかなと勝手に思っています。日本でこういう番組は画期的だと思いますし、それに関われていることがうれしいです。今後とも観ていただければいいなと思います。