「早い、うまい、安い」とビジネスマンなどに人気の牛丼を12週間毎日食べると……

牛丼チェーン「吉野家」を展開する吉野家ホールディングスは12月9日、「『吉野家の牛丼の具』の長期連続摂取に関する研究」と題した12週間におよぶ調査結果を明らかにした。

同研究は12週間にわたり毎日1回、20歳~64歳の成人男女24名(平均年齢44.8プラスマイナス8.5歳)に吉野家の「冷凍牛丼の具」を用いた牛丼を食べてもらい、体重や体脂肪率、血糖値などの変化を調べるというもの。

同社は研究を開始するにいたった背景として、日本国内におけるメタボリックシンドローム増加の原因が「食の欧米化」にあると位置付けられており、吉野家の牛丼も「不健康イメージに巻き込まれているような懸念がある」ためと説明している。

実際にそのような消費者の声が届いているのかを、同社のグループ企画室 広報IR担当の半田由里子さんに伺ったところ、若い女性などの普段牛丼を食べない人たちが、牛丼に対するネガティブなイメージを抱いているという。

「特に夕食に牛丼のような、いわゆる単品物だけを食べると『体に悪いのではないか』とイメージされていらっしゃる方がいるようです」。

そこで、「不健康」「病気になりやすい」などのイメージを払拭(ふっしょく)し、「お客様に安心して『吉野家の牛丼』を召し上がっていただくため」に今回の研究を実施したという。

24名の参加者は、研究の開始前と開始後で身体計測および生理学的検査(体重、BMI、体脂肪率、血圧、脈拍数)などの変動と、有害事象の有無や種類、頻度、重症度を調査し、試験責任医師らから評価を受けた。参加者は調査期間中に食事内容(回数、量)や飲酒量、運動量、睡眠時間などを日誌に記載しており、その内容も調査したという。

「24名はデータとしては少ないと思われるかもしれませんが、研究を実施していただいた医療機関からは『これだけの人数がいれば(牛丼の連続摂取が与える影響を)検証できます』と言われております」と半田さん。調査期間中は参加者にダイエットを控えてもらい、なるべく普段どおりの生活をしてもらったうえで影響を検証したと明かす。

その結果、通常の食事に吉野家の『冷凍牛丼の具』を用いた牛丼をプラスして毎日摂取しても、生活習慣病の原因となるメタボリックシンドロームにつながる体重や体脂肪率、血圧、中性脂肪、コレステロール類、血糖値などの有意な変動は見られなかったという。

この結果に半田さんは、「牛丼は年間を通じてお客様の50%以上がオーダーされる商品ですので、今後も安心して召し上がっていただければ」と話す。

今回の吉野家の研究発表を受けて、Twitter上には

「そういえば2ヶ月ほど吉野家食べてない。食べよう」

「なんだか吉野家の牛丼食べたくなってきてしまったな…」

など、"牛丼欲"がかきたてられてしまった人や

「吉野家の牛丼を3ヶ月の間それだけ食べ続けることを仕事としてた人がいるんだなって…」

「他の2食は何を食べたんですかね? 」

など、研究の内容に興味・関心を持った人のコメントなどが見られている(コメントは原文)。

なお、「牛カルビ丼」や「こく旨カレー」などのほかのメニューで今後、同様の調査をする予定はないとのこと。

※写真と本文は関係ありません