俳優の松坂桃李が、きょう20日にスタートする関西テレビ・フジテレビ系新ドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(毎週火曜22:00~22:54 ※初回は21:00~22:48)で、警察の機動捜査隊を演じるにあたり、このほど、東京・桜田門の警視庁を訪問し、現職の隊員からアドバイスを受けた。

警視庁を訪問した松坂桃李(右)と、警視庁の原きよ子第一機動捜査隊長(右から2人目)、機動捜査隊員

松坂が今回のドラマで演じるのは、初動捜査に携わる機動捜査隊(通称:キソウ)。スタント無しで建物の2階からトラックに飛び移り、そこから転がって地面に着地するシーンなど、激しいアクションにも挑んでいる。そこで、今年の春に女性初の機動捜査隊長に就任した、警視庁の原きよ子第一機動捜査隊長を訪問。現役で活躍する捜査官に、キソウを演じるにあたっての心構えを尋ねた。

原隊長は松坂に「被害者の方は自分で事件を捜査できませんが、それができるのは警察官だけ。それを心に思えば、自分がやるべきことというのが自然に出てくると思います」とアドバイス。刑事としての自覚を持つことの大切さを説いた。

同席した男性隊員も「怒る気持ちと熱い気持ちを持ちながら、相手(犯人)を理解して冷静にならないと被害者のためにならない」、女性隊員は「ささいなことも見逃さず、あきらめないことだと思います」と答え、松坂は興味深く耳を傾けていた。

また、捜査をしていて、実際に身の危険を感じた瞬間を聞くと、原隊長は暴力団対策を担当していた当時、ある組長に「(原隊長は)組の中で一番有名な女性だ」と言われたことから、帰宅経路を変更したこともあるという。男性隊員も、犯人2人に対して1人で格闘することになったという体験を明かし、松坂は「サイレーンですね!」とドラマさながらの世界に目を丸くした。

このように、今回の訪問は、松坂がキソウ隊員にインタビューする形で進行。しかし、松坂は「こうやって会話していても、(自分が)分析されているのかと思うと、ものすごい恐ろしくなってきて、どこを見られてるんだろうという気持ちになりますね」と、何気ないやり取りから感じる緊張感を吐露した。

警察官を志望した理由は、テレビの刑事ドラマの影響も大きく受けたというが、実際に就いてみると「(現実とは)ギャップだらけです」「30分とか1時間で犯人を検挙できませんからね」と苦笑い。それでも、原隊長は「松坂さんが機動捜査隊の隊員を演じていただくというのは、より多くの人たちにキソウ隊の仕事を知って理解していただくことにつながるので、ぜひがんばってください」とエールを送り、松坂は「この後撮影があるので、今聞いたことをしっかりと体に入れてやりたいと思います」と気を引き締めた。

『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』は、「週刊モーニング」で連載されていた人気コミックが原作。主演の松坂演じる里見偲と、ヒロインの木村文乃演じる猪熊夕貴が、恋人同士であることを隠し、コンビを組んで事件に挑むが、菜々緒演じる謎の美女・橘カラに運命を狂わされていく。