20代で離婚後、派遣・契約社員としてさまざまな転々とし、30代で外資系のシティバンク銀行に転職。事務的な仕事を淡々と……のはずが、管理職にまで上りつめた関下昌代さん。ジェットコースターばりにアップダウンの激しい人生を送ってきた中で、見えてきた"感情整理のコツ"とは?

失敗だらけの人生だけど

――ドラマティックなご経歴ですが、順風満帆ではなかったのですね

関下昌代さん

順風満帆どころか、失敗の引き出しなら、誰にも負けないほどたくさんあります。

――失敗が多い理由を、ご自身ではどう分析していますか?

昔から無器用で、感情のコントロールが自分でもあきれるほど下手なんです。怒りが湧いてくると我慢せずにボンッと爆発させてしまい、ものすごく叱られたり、あとから「我慢すべきだった」「根回ししておかない自分が悪いのに」と、反省したり。そうやって失敗を重ねる中で、1つずつ体当たりで学んできました。

――そうやって失敗は減ったのですか?

思うようには減りませんが、失敗を活用できるようになりました。例えば、私は外資系の銀行に勤めていながら、英語がものすごく苦手でした。そこであるとき、「これからインドに電話をかけるけど、聞かないでくださいね!」と。みんなが耳をそばだてる中、汗だくになりながら電話で一生懸命話をして、何とか用事をすませることができました。でも、そうやって人前で派手に恥をかいておくと、失敗が怖くなくなってくるんです。

――失敗すると、部下や同僚になめられますよね……

「なめられたっていい」くらいの大きな気持ちを持ってみてはどうでしょう。相手が自分を見下して、油断しているくらいがいいのかも。人間は、格下だと思う人にはつい口が軽くなりますから、情報をたくさんもらって、自分の仕事に生かせばいいんです。