公開中の映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』の大ヒット御礼舞台挨拶が9日、都内で開催され、泉野明役の真野恵里菜、後藤田継次役の筧利夫、押井守総監督が登壇。舞台あいさつ中には押井監督から、未公開カットを加えたディレクターズカット版が、10月10日に劇場公開されることが発表された。

左から筧利夫、押井守総監督、真野恵里菜

「みんなありがとゥ! 再び舞台あいさつができてありがとゥ! レインボーブリッジが封鎖されたり、爆破されたりする僕ですが、今日もレインボーブリッジを通ってまいりました!」と、まずはハイテンションであいさつした筧。続けて、長期にわたって実写版『パトレイバー』を演じてきた役者としての変化について「んー、やるべきところでやり、やらないところでは鞘に納める。その緩急ではないでしょうか。でもやりすぎて失敗して反省する毎日です!」とエネルギッシュに振り返った。筧はネットの反応も見ているそうで、「作品を受け入れているファンと受け入れていないファン、受け入れている一般の人と受け入れていない一般の人、こう別れておりますね! 芸術であり商売なので色々ございますが、最終的にはいいところに着地すると思います!」と身体でエックスを描きながら表現すると、押井監督も苦笑い。そんな筧だが、「まだまだ『パトレイバー』終わる感じがしませんし、一生このままいくんじゃないかと!」と、後藤田継次役への愛着を感じさせた。

真野は劇場版の見どころについて、「特車二課の隊員たちの姿を見てほしいです。あんなにふざけたりダラダラしていた隊員たちがやる時はやる姿を見てほしいです」とコメント。公開後の周囲の反応については、「みんなから劇場版のラストの意味をすごく聞かれます。でも自分では『パトレイバー』が終わった気がしなくて、まだまだ続くような不思議な感覚があります」と語っていた。また、泉野明から受けた影響について真野は「私もオンとオフのつけかたです。私は休みの日ってどうしていいかわからなくて、仕事がしたくなってしまうほうなんですね。でも明たちを見ていて休みも必要なんだなと思うようになりましたし、ますますゲーム好きになりました」と明かしていた。

押井監督は「ここで最初に(イングラムを)デッキアップして一年三カ月、豊洲に来ると帰ってきた感じがあります」と会場への思い入れを吐露。本作に関わってきてからの変化、周囲の反応については「変化は特にない。ふたつ年を取って、空手が二段になりました。反応は何もないですね。誰も何も言ってこない。気を使っているのか、僕が怒ると思っているのか……」と韜晦した答え。だが、重大発表の時には「このたび引退することになりまして……嘘です。体が動く内は映画作ります」と爆弾発言で関係者を慌てさせた。

実際の重大発表は前述の通り、未公開カットを加えたディレクターズカット版が10月10日に劇場公開されることが明らかに。押井監督によれば約27分の追加があるそうで「切るべきか切るべきでないかプロデューサーとやりあった結果、お互いの顔を立てて別に作ることになった」という。押井監督は「ディレクターズカット版はやっぱり切ったほうが正解だったというような風潮があるが、この作品は27分ぶんちゃんとお得になっていると思います。自信を持っております」と独特の言い回しで表現。

一足早くディレクターズカット版を見たという筧は「ファンは納得すると思います! 謎が深まる描写があって、ここ本当に切っていいの? と思いました。隊員の赤裸々な姿も描かれてます」とアピール。まだディレクターズカット版は見ていないという真野は、「夜中にたくさん撮影したシーンで本編に入っていないところがあったので、そこが入っているのかが楽しみです」と期待を寄せていた。

舞台あいさつの最後に筧は「ディレクターズカット版の発表もありましたが、まだまだお祭りは続きます。近日六本木の方で限定の4Kドルビーアトモスでの上映がありますので、その時またそこで集結しましょう! 本日はどうもありがとうございました!」と締めくくった。