東急東横線白楽駅改札を出てすぐ、細い路地を抜けると正面にある店「味奈登庵」。風情ある書体で描かれた看板を掲げ、本格蕎麦屋を思わせながらも女性ひとりでも入ることのできる雰囲気を醸し出すお蕎麦屋さんだ。実はこの店、"デカ盛りのある店"としても知られているという。こだわり派の蕎麦屋でデカ盛り!? これは試してみるしかない!

高さ15cm以上! まさに富士山のようにそびえたつ「富士山もり」はこれで500円!!

打ちたての蕎麦を天然だしで

味奈登庵は白楽駅前店以外にも横浜市内に全16店舗を展開するチェーン店。蕎麦は小麦粉と蕎麦粉を5:5の割合で配合した粉で早朝・午後と1日2回、自社の麺工房で麺打ちし、各店へ届けられている。そのため、常に店では打ちたての麺が楽しめるようになっている。

蕎麦つゆは、特製醤油とみりん、ざらめからできた「かえし」を2週間じっくりねかせ、そこへカツオ、宗田カツオ、サバ、昆布でとった天然だしを合わせ作り上げる。化学調味料等は一切含まない無添加。素材に対するこだわりには絶対の自信をもっているという。

白楽駅改札を出てまっすぐ進むと、「味奈登庵」に行き当たる

ワンコインで満腹・幸福感に包まれる

早速噂のデカ盛り「富士山もり」を注文。しばらくして運ばれてきたそれは、筆者の想像をはるかに超えたデカ盛りだった。まさに富士山のようにそびえたつ蕎麦の山。定規でその高さを計測してみたところ15cm超え……重さにして1kgである。

つやつやとした細めの麺をつゆにつけ一口すすると、蕎麦の風味が口中を漂う。麺はしっかりとした弾力でのどごしも爽やかだ。つるつると箸が進む。蕎麦の香りと蕎麦つゆをしっかり堪能。この富士山もり、なんと価格は500円なのである! このご時世、ワンコインでコレだけのデカ盛りを食べられる店が他にあるだろうか。

富士山もりが誕生した経緯を店長の櫻井義雄さんに訪ねたところ、味奈登庵の会長が考案したメニューであることが判明。「おいしい蕎麦をお得におなかいっぱい食べてもらいたい」、ただただそれだけの想いを込めて作ったそうだ。確かに、見た目と味でおなかも心も満たされること間違いなしである。

ムチムチのエビたちもご一緒に!

さらに、この富士山もりのオススメの食べ方を店員に聞いてみたところ、「余力がある方はぜひ、『天ぷら盛り合わせ』も一緒に食べてください」とのこと。味奈登庵オススメの「天ぷら盛り合わせ」は、大ぶりのエビ、イカ、カボチャ、オクラのセットだ。

4種セットの「天ぷら盛り合わせ」(400円)は、注文を受けてから揚げ始める

オーダーが入ってから揚げ始め、一切揚げ置きはしないというこの天ぷら。一口かむとサクッと言う音が響く。特にエビは保水などの加工は一切していないため、プチプチムチムチとしたエビ本来の歯ごたえと味も楽しむことができる。

富士山もりに天ぷら盛り合わせを合わせても900円という破格の安さ! さらに、天ぷらには他にもいくつか種類があり、1個からオーダーすることが可能。かき揚げに至っては、その時期の旬に合わせ種類を変えている。

この組み合わせで900円! 1,000円でおつりがくるうれしいコンビだ

見た目はとてつもなく大胆だが、その味は非常に繊細。本格蕎麦屋が編み出したデカ盛りは、まさに最強であることが分かった。なお、この富士山もりは味奈登庵全店で堪能することができる。デカ盛りが食べたくなった時はもちろんだが、"ウマい蕎麦"が食べたくなった時にもぜひお勧めしたい一店である。

※記事中の価格・情報は2015年1月取材時のもの。価格は税込