国土交通省はこのほど、「整備新幹線の取扱いについて」(政府・与党申合せ)を発表した。北陸新幹線金沢~敦賀間、北海道新幹線新函館北斗~札幌間、九州新幹線武雄温泉~長崎間の完成・開業時期の前倒しが図られる。

北陸新幹線W7系(2014年6月撮影)

今回の発表で、2012年6月に工事実施計画を認可した整備新幹線3区間に関して、「予定された事業費の範囲内で早期かつ集中的な投資を行うことで、その開業効果を早期に発揮させることは、国民経済上大きな意義を持つ」と国土交通省。「沿線地方公共団体の最大限の取組み」を前提に、当初予定より前倒ししての完成・開業をめざすという。

北陸新幹線は今年3月に長野~金沢間の開業を予定している。金沢~敦賀間は当初予定の2025年度から3年前倒しされ、2022年度末の完成・開業をめざす。金沢~福井間については、「在来線との乗換利便性を確保し、十分な開業効果をできる限り早期に発揮する」との観点から、今夏までに早期活用など検討を行うという。

九州新幹線武雄温泉~長崎間はフリーゲージトレインの導入を前提に整備される

北海道新幹線は2015年度末に新青森~新函館北斗間が開業予定。新函館北斗~札幌間は当初、2035年度の完成・開業予定とされたが、3年前倒しして2030年度末の完成・開業をめざすことに。九州新幹線武雄温泉~長崎間も、フリーゲージトレインの技術開発を推進しつつ、当初予定の2022年度から可能な限り完成・開業時期を前倒しする。

北陸新幹線金沢~敦賀間、北海道新幹線新函館北斗~札幌間、九州新幹線武雄温泉~長崎間では、完成・開業時期前倒しに必要な財源として、これらの区間の貸付料収入が前倒しして活用されることに。貨物調整金制度も見直され、現在整備中の新幹線が全線開業する2030年度までに、貸付料を財源とせず並行在来線に必要な線路使用料の確実な支払いを確保する新制度へ移行する。

2015年度の整備新幹線関係予算は整備新幹線建設事業費1,600億円、公共事業関係費755億円を計上。今後の整備新幹線の取扱いについて、必要に応じて随時見直しを行うという。