ジャパンネット銀行はこのたび、2012年に続き、インターネットバンキングのセキュリティに関する意識調査の結果を発表した。それによると、42.2%の人が、個人でネットバンキング関連の被害・危険に遭った経験ありと回答した。2012年の回答19.4%と比べて、2年間で2倍以上増加していることがわかった。

同調査は2014年11月5日~9日にインターネット上で行われ、ジャパンネット銀行に口座を持つ20~50代の全国の男女3939名の個人の顧客、425社の法人の顧客から有効回答を得た。

警察庁の発表によると、2013年のネットバンキングでの不正送金被害額は14億600万円、2014年は上半期だけで昨年一年間を上回る18億5,200万円にのぼるという。また、2014年には法人の被害も増加し、法人口座の被害額は2013年下半期は約7,500万円、2014年上半期には約5億7,200万円に増加している。この状況を受け、2014年7月には、全銀協より法人向けインターネットバンキングでの不正出金への補償について申し合わせが出された。

ジャパンネット銀行では、2012年11月にインターネットバンキングのセキュリティに関する意識や実態を把握するために調査を実施した。この時期は、銀行の正規ホームページにログインした後に暗証番号などの入力を求める不正画面が表示されるなど犯罪手口が巧妙化しつつあった時だったという。このたび2012年からの変化を把握するべく、あらためて調査を実施。また、今回は法人口座での被害が増加している状況を踏まえ、新たに法人への調査も行ったとしている。

個人の人にインターネットバンキング全体に関わる被害・危険について尋ねると、42.2%の人が経験ありと回答。2012年の回答19.4%と比べ、2年間で2倍以上増加する結果となった。個人について、被害・危険の内訳をみると、2014年には預金の不正出金2.1%や個人情報・口座情報の流出15.8%といった実際の被害から、フィッシングメールの受信25.5%やスパイウェアへの感染15.4%など被害の前段階である危険への経験まで、全項目で2012年からの増加がみられる。法人では、フィッシングメールの受信で40.9%と個人を大きく上回ったが、その他の項目では総じて個人より低い結果となった。

インターネットバンキング全体のセキュリティに不安を感じるか質問すると、「感じる」「どちらかというと感じる」合計では63.9%となり、2012年より4.2%増加したが、傾向に大きな変化はなかったという。一方、普段ジャパンネット銀行でインターネット取引をする際の不安感についても2012年から傾向に変化はみられなかったとしている。

個人の人にインターネットバンキングを利用する端末を聞くと、パソコン93.2%、スマートフォン50.3%との結果になった。一方で、携帯電話の利用は7.1%と1割を切った。

このたびの調査により、2012年と比較して、ネットバンキングに関わる犯罪が増加していることへの認知が高まっていることがわかった。銀行側での対策強化が進む一方で、犯罪手法も高度化が進み、実際に被害や危険に遭遇した方も増えるなど、被害防止の難しさがうかがえた。ネットバンキングを利用する銀行を選ぶ際に重視する点としては、2年前と変わらずセキュリティが1位に上がり、銀行のセキュリティ対策への強い要望がみてとれた。

調査の中で、スマートフォンでのネットバンキング利用が半数を超えていたが、今後スマートフォンへのニーズはますます高まっていくことが予想できるという。

スマートフォンのサービスとして、ジャパンネット銀行では2015年1月6日より、残高確認アプリの提供を開始。外出先での利用を考慮し、ログイン方法には口座番号やログインパスワードの入力を必要としないパターン認証を採用、用途を残高と最新取引明細の確認に絞り、シンプルさを追求したという。

今後も、顧客に安心して便利にネットバンキングを使ってもらえるよう、サービスの拡充に努めていくとしている。